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内容説明
歴史学、進化生物学、人類学などの研究成果を総動員。前代未聞の「希望」の書!人類の本質は「善」だ。分断と格差は乗り越えられる。
目次
第7章 動物の友情
第8章 友か、敵か
第9章 社会性への一本道
第10章 遺伝子のリモートコントロール
第11章 遺伝子と文化
第12章 自然の法則と社会の法則
著者等紹介
クリスタキス,ニコラス[クリスタキス,ニコラス] [Christakis,Nicholas A.]
イエール大学ヒューマンネイチャー・ラボ所長、およびイエール大学ネットワーク科学研究所所長。医師。専門はネットワーク科学、進化生物学、行動遺伝学、医学、社会学など多岐にわたる。1962年、ギリシャ人の両親のもとアメリカに生まれる。幼少期をギリシャで過ごす。ハーバード・メディカルスクールで医学博士号を、ペンシルベニア大学で社会学博士号を取得。人のつながりが個人と社会におよぼす影響を解明したネットワーク科学の先駆者として知られ、2009年には『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に、2009年~2010年には2年連続で『フォーリン・ポリシー』誌の「トップ・グローバル・シンカー」に選出されるなど、アメリカを代表するビッグ・シンカーの1人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
83
米国の調査によると平均友達2.2人、配偶者0.8人、兄弟0.3人、職場の同僚0.4人、隣人0.3人で、世界中で同様の結果であった。人間の社会的ネットワークの構造は、集団で生きていくことを選択し環境に応じて形質を収斂して進化してきた結果であろう。それにより文化として情報を伝え、また遺伝子に内在するもの。動物も社会を形成している。遺伝子の「外的表現型」として人間と動物の友情も可能であることは実証されている。最も興味深かったのは、鏡像自己認識が実証されている動物は、人間・類人猿・ゾウ・イルカ位だということ。2021/01/20
よしたけ
38
(上巻に記した感想の続き)欧州では一夫一妻婚の一般化が民主主義制度の登場に先んじており、それがまた、両性間の平等という考え方が登場するお膳立てを整えたとのこと。遺伝子の観点では、ある程度の相似性も婚姻に影響しているとのことで、ある調査では四従兄弟姉妹〔四代前の祖先が兄弟姉妹〕と同程度の遺伝的つながりを配偶者に選ぶことが多いという。人類には、このような収斂進化(遺伝子上別個の生物が別々に同じ形質を、しばしば遠く離れた場所で進化させる)が起きていることを、様々な面からも分析する。2021/04/14
Miyoshi Hirotaka
24
人間の内部にはブループリントという普遍的な遺伝子のセットがある。これにより人間は不確実な環境変化を団結して生き延びてきた。文化差や地域差を補正すると集団が似通うのはこのため。一方で、人はパンのみにて生きるにあらず。基本的な欲求が満たされると高度な欲求へと進み、自分が属する社会的集団への義務感や無私の姿勢へと欲求を昇華させる。これが社会や集団の差を生み出してきた。今後、遺伝子編集やAIがブループリントに影響を与える可能性がある。ディストピアを避けるためには、人間が持つ競争的な衝動と協力的な衝動の調和が必要。2022/03/08
小鈴
22
下巻では、他の動物と異なり個々の区別を判別しながら集団生活することを選択した。その中で内集団バイアス(友/敵)を作り、ネットワークを形成するようになったと。親族ではない「友」がいることが特徴であり、個人が他の個人と特定のつながりをもち、その他人を知り、愛し、好きになっていく。あとは、遺伝子がいかに人間の社会性を規定しているのかって話です。上巻の感想のコメント欄にいろいろ書きました。https://bookmeter.com/books/165134092022/01/23
Mc6ρ助
16
『一致団結して社会を形成する能力は、実は人類の生物学的特徴であり、社会を構築する人間の能力は本能となっている。・・人間社会の基本的な特徴は、人類が長い歳月をかけてスケッチしてきた青写真に導かれている・・。ただし、青写真とは遺伝子そのものではなく、遺伝子というインクによって描かれていると言う。人類はある程度までなら青写真から逸脱できるが、それが過ぎれば社会は崩壊してしまうのである。(p293:解説)』社会善はあると上下2巻p739の物量作戦で説得される。まちがいではないのだろうが、今一歩腑に落ちかねる。2022/01/05
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