内容説明
最有望の哲学者、「希望」のデビュー作。「仕事のやりがい」「生きる意味」「大切な人とのつながり」―。なぜ僕らは、狂おしいほどにこれらを追い求めるのか?どうすれば「幸福」に生きられるのか?ビジネスパーソンから学生まで、見通しが立たない現代を生き抜くための愛と知的興奮に満ちた“新しい哲学”の誕生!
目次
第1章 What Money Can’t Buy―「お金で買えないもの」の正体
第2章 ギブ&テイクの限界点
第3章 贈与が「呪い」になるとき
第4章 サンタクロースの正体
第5章 僕らは言語ゲームを生きている
第6章 「常識を疑え」を疑え
第7章 世界と出会い直すための「逸脱的思考」
第8章 アンサング・ヒーローが支える日常
第9章 贈与のメッセンジャー
著者等紹介
近内悠太[チカウチユウタ]
1985年神奈川県生まれ。教育者。哲学研究者。慶應義塾大学理工学部数理科学科卒業、日本大学大学院文学研究科修士課程修了。専門はウィトゲンシュタイン哲学。リベラルアーツを主軸にした総合型学習塾「知窓学舎」講師。教養と哲学を教育の現場から立ち上げ、学問分野を越境する「知のマッシュアップ」を実践している。『世界は贈与でできている―資本主義の「すきま」を埋める倫理学』がデビュー著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_ユル活動
179
最近は内的な話題の本をよく読むように。贈与で内的?と思ったが、人の感情に関しての内容多く、興味を持って拝読できました。当初、ビジネスの営業本かとも(笑)。部分的に理解しがたいところもあったけれど、生き方についていろいろと意味づけができたようにも思います。本書の中から。「自分へのご褒美」は空虚。「もらうことよりもあげることがうれしい」理由。どうして親が「孫が見たい」というのか。贈与と交換の違い、偽善。交換はギブ&テイク、ウィンウィン。贈与は商品にはならず、商品になると交換となる。→続く2021/01/17
trazom
106
「今だけ金だけ自分だけ」の現代社会だから「贈与」に注目して論じるという視点はユニークだと思う。「贈与は受け取ることなく開始できない」「それが贈与だと知られてはいけない」「贈与は、差出人に倫理を、受取人に知性を要求する」「受取人の存在自体が、贈与の差出人に生命力を与える」「贈与は市場経済を必要としている」…様々な視点から贈与が語られるが、定義も甘く内容も散漫で、全く論理の体を成していないのが残念。その種の本だということは、帯に大書きされた絶賛者の名前(伊藤亜紗先生を除き)で、読む前に気付くべきだったと反省。2021/11/01
なかしー
60
贈与といえば、マルセル・モースの贈与論を想起したが、本作ではウィトゲンシュタインの言語ゲームから贈与を論じるとあり、気になって読んでみた。 結論からいうと1週目で贈与というものを理解するのは難かった。特に贈与と交換の違いが、よく分からなかった。 前者は受け取ったら対流するのに対して、後者は一度限り。 現代では、様々商品やサービスが交換可能となっており、その対価を得た人がまた商品を交換する流れで、見かけ上の動きでは贈与と似たような挙動をしているように見えるからか?要再読。2024/07/17
ムーミン
54
過去から現在に至るまで、この世の全てのものに無駄なものはない。読み終えてまずはそう感じる自分がいました。勉強の意味。過去を学び、今の自分とじっくり向き合う意味。自分が生きている意味、仕事をしている意味がストンと落ちました。アンサング・ヒーロー、刻まれました。2021/08/23
vinlandmbit
54
タイトルから内容の想像が最初は難しかったですが、中盤から終盤に向けて本書で著者が言いたかったことが見えてくると、非常に気づき学び多く、見返りを求めない贈与(必ずしも物ではない面での)による人と人の結びつきの大切さともつことが必ずしも簡単では無いことを再確認できました。良書です。2020/09/12
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