- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > ティーンズ・ファンタジーその他
内容説明
不治の病に罹った少年・桑折冬至ははずれの森に住む変わり者の魔女・ミーズに出会う。その魔女は対価を払えば、どんな願いでも叶えてくれるが、願いの対価は彼女の気分次第。珈琲を淹れることから、心臓を取られることまで、何を要求されても文句は言えない。冬至の願いを聞いた魔女が伝えた対価は―。「ふふっ、今日から君は私の弟子だ」「へ?」これは『僕』と『魔女のお姉さん』の季節をめぐる物語。
著者等紹介
空伏空人[カラブシソラト]
第一回カクヨムWeb小説コンテストを特別賞で受賞、同作を改稿した『ヴぁんぷちゃんとゾンビくん 吸血姫は恋したい』(角川スニーカー文庫刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
36
不治の病に罹った少年・桑折冬至が、迷い込んだはずれの森に住む変わり者の魔女・ミーズに出会い、願いを叶える代わりにその弟子となる物語。ハルと名付けられた死にたくないと願うシニカルな少年と、陽気で構いたがりでどこか子供っぽい一面も見せる魔女のミーズ。そんな二人の微笑ましいやりとりは良かったですけど時折ハルが知らないミーズの過去があって。巻き込まれた事件を通して明かされるミーズの真意がまた衝撃的でしたけど、二人で過ごした日々もまた偽りではなかったんですよね。彼らがどうなってゆくのかその後の話を読んでみたいです。2019/12/07
nishiyan
19
不治の病に罹った少年・冬至がはずれの森に住み、対価を払えばどんな願いでも叶える変わり者の魔女・ミーズに病を治してもらう対価として彼女に弟子入りすることになるファンタジー。ハルと名付けられた冬至がツッコミ役でミーズがボケという感じで進む会話は楽しいのだが、どこか妙な間を感じてしまうのが本作の魅力なのだろう。その間の理由が後半のミーズがハルを弟子にしたことにあるのだが、ここを乗り越えて師弟関係が強くなっていくのは面白い。脇を固める魔女たちも癖が強く、それがまた魔女らしくて好きですね。続きがあるなら読みたい。2020/03/06
MERLI
16
ファンタジー作品の中にどこか懐かしさを感じました、哀愁漂うとでも言うべきか。死の概念、善意悪意のあり様、人間とは、自由と迷惑。魔女と謳っておきながら「魔」のような要素はそれ程感じられず、しかしこの哲学的な羅列が心揺さぶるものでもあったので個人的には楽しめました。「花嫁」というのはどの部分を指すのか…?どちらかというと「師弟愛」だと感じましたが…まぁいいか、それも「自由」だからね。2020/02/16
ホシナーたかはし
16
魔術と言うよりは陰陽師のような、どちらも正体不明なところは共通していますが、言葉遊び・運び方が上手です。似たような作風で「化物語」シリーズがありますが、あれよりは読みやすくとっつきやすいかも。続きあるんでしょ?2019/12/12
真白優樹
15
不治の病に罹った少年が、気分次第の対価で願いを叶える魔女と出会い、弟子とされて始まる物語。―――巡る季節を貴方と共に、同じ籠の中の伴侶として。魔女の弟子として出会う不思議な隣人、そして日常に潜む怪異。ゆったりと季節を過ごしながら優しく絆を育むこの物語。全体的に悪い展開が少なく温かい登場人物達が優しい空気を醸し出している物語であり、秘密にしていた真実を知れど側にいる事を選ぶ、二人の絆が温かくて優しい物語である。飛び立てば家族、隣にいるなら伴侶。果たして二人が巡る次の季節とは。 次巻も須らく期待である。2019/12/06