内容説明
「一人の女の子として扱ってくれて、ありがと」楽器職人見習いの上杉次郎は、ふとしたきっかけで知り合ったバイオリニストの美波葵に恋をする。少しずつ心の距離を縮めていく二人。だが、実は葵には二重人格という隠された秘密があった。性格も魅力も正反対な、二人の『彼女』と過ごす次郎。変わりゆく想いと決意は小さな奇跡を起こし、やがて物語は意外な結末を迎える。―湘南の海を舞台に繰り広げられる夢と恋。思い出す夏の日々は、甘くて、少しだけ苦い。
著者等紹介
喜友名トト[キユナトト]
作家。2014年KADOKAWA『悪の組織の求人広告』シリーズでデビュー。双葉文庫より第6回ネット小説大賞受賞作『僕は僕の書いた小説を知らない』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ツバサ
8
人生迷っていた主人公が二重人格の少女と過ごしていくうちに夢を見つけ出していく。そして、問題を抱えていた少女に決意を決めて踏み込んでいく主人公の姿は輝いていました。恋と夢を繋げている、良い作品でした。2019/12/05
Shingo Hosoda
3
登場人物がみんな純粋で、すれ違いこそあれど素敵で平和な世界。物語自体は想像通りだったけど、それでも切なくほっこり幸せな気持ちになれる。自分は茉莉派。2020/03/19
siro
1
★★★★★/純愛ものでこの終わり方はなんとも不思議な感覚だったが、普通に感動してしまったので結局これが正解だったのだろう。物語の本筋は二重人格を題材にした青春恋愛小説ということで、そんな中でも主人公が最初から二重人格の彼女のことを別人として見ているのが新鮮だった。本人に気づかせていない所も中々珍しい作りだと思う。今作は基本的に、恋心を読者に隠すような描写をしていないのだが、それらの要素が起因して、中盤まではどちらの人格とどんな関係になるのかといった独自性の高い面白さがあった(割かしわかりやすくはあるが)。2025/03/07
灰音
1
今回の作品もとても心動かされました。 夢に迷ってる人、迷走して走り続けている人にぜひ読んでいただきたい一冊です。 勇気を貰えるとてもいい作品に出会えました。2020/06/01
hotate_shiho
0
めちゃくちゃ良かった。次郎と葵、そして茉莉。最高でした。2020/07/15