感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mikio
8
「今の時代に求められているのは、やはり勝ち負けのある数字ではなく、世界に通じるアートの豊かな世界や、アート思考なのではないだろうか。そして、目先を考えず、自分が幸せになって相手も幸せにしようという芸術そのものだと思う。」30年以上フランスで活躍され、特に震災以降、日本でも度々活動されていたと思うが、22年に他界されたのは非常に惜しまれる。松井さんの描く富士山がすごく好きだ。ただやはり面相筆を使った巨大抽象画を生で鑑賞してみたい。自分の感性を見直したいと思った。「絵が必需品となる日常を。」忘れずに。2024/08/31
ken
2
フランスに渡った画家視点で日本を見た本。 ①何ごとも自分の目で判断、そのため感性を高める。 ②芸術も仕事もいかに人を感動させられるかを考えるの二点を学んだ。 フランスでは芸術は人生を豊かにするものとして身近にあり、資産にもなり、芸術家が尊敬の対象になっている。そしてフランス人は芸術を人評価ではなく自分が感動したかの自分の目で判断する。 一方、日本は人の評価を気にして自分で判断しないこと。芸術がビジネスありきで身近にないこと。画家や音楽家といった芸術を職業にするのが難しい環境である点を問題提起している。2021/11/28
ゆかり
2
ピカソとも交流した画家松井守男の著書 フランスでは絵画を見に行くのに孫を連れていき目利き力を学ばせる話、ホテルに飾られた絵は買うことができるのが当たり前という話が面白い。 アートが生活の一部であることがわかるエピソード。2021/09/06
二瓶くん
1
普段自己啓発本とか一切読まない私が、夢中になって読めた本。若者には衝撃的な内容だったけど、簡素だからこそ読めたのか。 自分の個性を否定され、正解をいつのまにか求めている日本、子供の頃から美術館やアトリエに連れて行ってもらえるフランス。 単純な二項対立かつ人生に対する壮年のメッセージではあるが、熱く込み上げるものがあったし、私たちが生きるうえで見失いかけていた、幸せみたいなものを思い出させてくれたし、わたしには有益すぎる書だったと思う。 何気なく立ち寄ったロシア料理店の店主に貸していただいたことを感謝したい2022/04/16