内容説明
建築する日々に励みながら、旅先でのスケッチや執筆活動にも精をだす若き建築家と、奈良の山村に私設図書館をつくり、執筆や自主ラジオなど様々な形でメッセージを発信する若き思想家が、些細な日常の出来事や思索をつぶさにみつめて綴った往復書簡。私たちにとって「つくる」とはなにかを問いかけ、つくる喜びについて対話を重ねながら、生き物として生きやすい社会を模索していきます。書簡のなかで交わされた対話のトピックスはまさに縦横無尽。働くことやお金のこと、外と内の自然、そして建築や本の話まで広がっていきます。ふたりの対話をじっくり観察すると、前提を問い直すこと、自ら思考し行動することは、何かを「つくる」ことへのきっかけにつながるのではないかと感じます。互いのちょっとした違いを認め合い、相手の言葉を受け止め、内省し、さらに言葉を紡いでいく二人の姿勢は、私たちの日々の生活や思考へのささやかな刺激となり、生き物として少しでも生きやすい社会をつくるヒントになるかもしれません。また、ふたりの書簡を楽しく彩る青木海青子さんのイラストも見どころ。
目次
1 03.09.2021 自分の地図をつくる
2 21.09.2021 はじまりを問い直す
3 06.10.2021 建築とは何か
4 17.11.2021 「ちょうどよい」を考える
5 15.12.2021 つくる人になるために
6 21.03.2022 お金とは何か
7 16.09.2022 つくることの喜び
8 05.10.2022 結界が生み出すもの
9 21.10.2022 生きるための建築
10 13.11.2022 現場に立つ
11 21.11.2022 偶然性を受け入れる
12 09.12.2022 汗水たらして働く
13 11.12.2022 自己変容を楽しむ
14 21.12.2022 分けずに受け取る
著者等紹介
光嶋裕介[コウシマユウスケ]
建築家/一級建築士/博士(建築学)。1979年米国・ニュージャージー州生まれ、小学校2年生の頃日本・奈良に帰国し、少年野球(5番キャッチャー)に熱中。中学からカナダ・トロントと英国・マンチェスターで過ごし、野球に加えてNBAにハマる。高校で再度帰国し、バスケに明け暮れて、バンド(英語の発音がよくて声がデカイだけのボーカル)をやったり、麻雀を覚えたりする。2004年に早稲田大学大学院を修了し、単身ヨーロッパへ。ドイツ・ベルリンの設計事務所で職を得て、4年間働く。2008年に帰国し、光嶋裕介建築設計事務所を開設。2011年に処女作として、内田樹先生の道場兼自宅“凱風館”を神戸に完成させる。竣工後すぐに入門し、現在は合気道参段。2021年より、神戸大学特命准教授
青木真兵[アオキシンペイ]
思想家/社会福祉士/博士(文学)。1983年生まれ、埼玉県浦和(現さいたま)市にて育つ。中学・高校時代は米米CLUBとみうらじゅんに傾倒していた。大学では考古学を専攻し、大城道則先生の研究室と図書館を往復する日々を過ごしながら、長期休みには国内外の発掘調査に出かけていた。大学院進学を機に関西に越し、西洋史を専攻しつつ内田樹先生の大学院ゼミにも通っていた。専門は古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)。2014年より実験的ネットラジオ『オムライスラヂオ』を週1本以上配信し続けている。現在は障害者の就労支援を主な仕事にしつつ、「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーターを名乗っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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