内容説明
ふたりの魔女ママとくらすマリは、食いしんぼうで、おしゃれが大好きな魔女の女の子。「魔法は自分のために使ってはいけない」きまりを今日も忘れ、ジャムドーナツを巨大化させたから、学校じゅうが大騒ぎ!親友ふたり、算数が得意なスジと魔女に憧れるレイが助けてくれたけど、ママからはお説教。大人たちは、みんなと生きるために人の役に立つ「すてきな魔女」になりなさいっていうんだけど、それってなんかヘンじゃない…?小学中学年~大人まで。
著者等紹介
柚木麻子[ユズキアサコ]
1981年生まれ。大学を卒業後、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞受賞。同作は、高校生が選ぶ高校生直木賞も受賞した。本書がはじめての児童文学
坂口友佳子[サカグチユカコ]
大阪府出身。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)キャラクターデザイン学科卒業。TIS会員。現在は、イラストレーターとして活動し、絵本や児童文学の表紙や挿絵、お菓子のパッケージや広告などの絵を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pen
36
人間に役に立つ魔法を使う魔女は「すてきな魔女」自分のために魔法うのは「すてきじゃない魔女」主人公マリは自由奔放に自分のために魔法を使う。子供の頃から魔女になりたかったと言う柚木さんの児童書は、トランスジェンダーの要素を盛り込むなど一筋縄ではいかない。でも正直な気持ちを持つことを子どもたちに訴える。マリの成長物語としてお話は続きそう。それにしても大人になっても魔女になることを諦めていないって 柚木さん(笑)2024/03/06
anne@灯れ松明の火
25
新着棚で、「柚木さんの初児童書!」と大喜び。でも、さすが、柚木さん。単なる児童書ではない。大人も十分楽しめる作品。11歳のマリが突拍子もない行動をすること、また、マリの両親が魔女(女性)同士であることに、初めは驚いた。だがだんだんと、どれも自然なのかもと思えてくる。人間と魔女との共存や対立、トランスジェンダーなど、考えさせるテーマをユーモア交えて描き出す。あとがきの「小さなころから魔女が大好き」。講演会の時の柚木さんを思い出すと、わかる気がする♪ 自分に自信が持てない人。柚木マジックにかかってみよう!2024/02/26
わむう
24
同性婚、LGBT、ルッキズム、夫婦平等などたくさん混ぜ込まれています。周りからステキと思われるためにガマンをせず、自分らしくという強いメッセージ性を感じました。2024/03/23
凛
23
柚木麻子さんが児童書を書かれていた事を初めて知りました。主人公マリは2人の魔女ママと暮らす女の子といったように魔女の物語に、LGBTなどのジェンダーも含め多様性が盛り込まれた内容で割と大人向けであると感じました。主人公マリ以外は、古いしきたりや周りの目を気にして生きづらそうなキャラが多いですが、最後には自分の納得する生き方を選べる、そんな大円団な展開で良かった。2025/07/02
はな
16
柚木麻子さん初の児童書ということで楽しみにしていました!メッセージがたくさん詰め込まれまれていて、生きづらさを感じている人のお守りになるような1冊でした。年齢や性別など問わずいろんな人に読まれていくといいなぁと思います。魔法で髪や瞳の色を変えたりしておしゃれを楽しむマリが素敵〜!2024/04/11