内容説明
ばあちゃんの家で暮らす小学6年生の誠矢。夏になると毎年かならず届く、謎の「絵ハガキ」の送り主に会うために、この夏、ついに冒険の旅に出る。誠矢の計画をなぜか邪魔するばあちゃんを振り切って、同級生の梶野くんや母さんの協力で、送り主の元へ無事たどり着く誠矢だったが―。そこで、思いもよらない人物との出会いが待っていた。第10回受賞作。
著者等紹介
山下みゆき[ヤマシタミユキ]
広島県生まれ。神戸大学大学院自然科学研究科修士課程修了。私立高校に8年間勤務、生物を教える。2019年、『朝顔のハガキ―夏休み、ぼくは「ハガキの人」に会いに行った』で第10回朝日学生新聞社児童文学賞を受賞。日本児童文芸家協会会員。童話サークルわらしべ所属
ゆの[ユノ]
1989年生まれ。セツモードセミナー卒業後、2012年からフリーのイラストレーターとして、アニメタイアップのグッズイラストや音楽MVなど、多岐にわたり活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
78
児童書。小学6年生の山口誠矢と梶野篤史は同じ学校だけど知り合いでもなかった。誠矢が篤史に助けを求めたことからふたりは友達になる。誠矢は毎年夏に送られてくる、一枚のハガキが気になっていた。家ではボスのようにふるまう凶暴な祖母、幽霊みたいな母、引きこもってしまった兄に絶望し、誠矢は「ハガキの人」を訪ねる決心をする。▽悩んで苦しむ誠矢が、必死になって行動を開始する姿を見て、いじめられ自信喪失気味だった篤史も変わろうと決心する。▽めっちゃ良本。泣けた。装丁がイマイチ子ども受けしそうにないのが残念。2021/02/05
はつばあば
54
なんと繊細君と豪胆婆がもめたら・・どっちが強い?(笑)。祖母の家に住まう母と孫の兄弟。物静かなお婆さんとは大違いの現役バリバリ、孫になど負けてられるか!ってなくらいの意気込み。そのお婆さんの元に届く夏恒例の朝顔の描かれたハガキを巡ってひいおじいさんのいる島根に行くことになった6年生の誠矢。行動力あるし物怖じしない少年・・なんとなく祖母似なのが笑える。児童書ってやっぱり読み応えがあります。失礼ながら今の政治家さん、ヤクザ屋さんやオレオレ詐欺の主犯格並みに質が悪い、こういう児童書を塀のなかで読んで心に禊を2023/12/18
chiaki
44
夏が来ると決まって祖母宛に届く朝顔のハガキ。そのハガキの差出人を嫌い、破り捨てる祖母への反発心や不穏な家庭環境から脱出するため、誠矢は友だちの梶野くんの協力を得て、ハガキの人に会いに行く決意をする。ホント、友だちの梶野くん親子の存在が救い!誠也のそんな思い切った動が、ちぐはぐだった誠矢の家族が前進しようとするきっかけを作る。お兄ちゃんへの声掛けはそれでいいの?とも思いましたが、そう言えるようになったのも誠矢の成長なのかな。『思い出のマーニー』的な要素もあり楽しめました。2021/06/13
杏子
21
どこでこの本のことを知ったのか忘れたが…思った通り?最初からひかれて読み進めた。主人公の誠矢のばあちゃんの凄さに初めは引いたが、段々話が進むにつれていろいろわかってきた。部屋にこもったままだった兄と家では存在の薄いお母さんも気になったが、誠矢が毎年もらっていた朝顔の花のハガキの人を訪ねて遥々島根まで行くことになって変わっていった。そのきっかけを作ってくれた梶野くんも段々変わっていく。少年の成長もので、友情の話もあってちょっとホラーなところもある、でも最後は爽やかな印象の作品。全体的にとてもよかった。2020/12/20
白雪ちょこ
20
表紙のインパクトに惹かれて。 凸凹な一家と過ごす主人公は、一枚のハガキをきっかけに、その人に会いに行くことを決意。 小学生にして前に進み、自分の力でどうにかしようとする男らしい逞しさ。 友達と共に支え合いながら、一歩一歩家族との思い出を振り返る姿。 美しい挿絵とともに描かれていて、胸が温かく、しかしどこか苦しいさを漂わせるような素晴らしい内容。 川の人と出会うシーンは、妖的な要素もあったが、純粋だからこそ見えたというような描写も個人的には好き。2022/11/21
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- 和書
- 南海千一夜物語 岩波文庫