感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
佐倉
15
古代から現代にかけて、東アジア全体における巫と占を幅広く論じる。原因ではなく怪異への対処療法として10世紀から行われていた陰陽道の祭祀・百怪祭について、道教系と五行系の祭祀の別を述べつつ後者としての属性を説く『陰陽道の祭祀、百怪祭をめぐって』山下克明、古代の祈狩において鹿と猪とで良悪が変わったことを論じる『祈狩考』平林章仁福原、大倉御所、水無瀬離宮などを例に中世に四神相応ではなく気脈を重視する風水思想が流行したことを論じる『日本中世初期の都市構造と気脈や地勢を重視する風水思想との関わり』豊田裕章、2026/05/26
さとうしん
14
東アジアの古今の巫的存在や占術について。第二章では、鎌倉幕府のような武家政権も公家と同様に怪異を受けて百怪祭のような祭祀を施行しているというのが面白い。第三章では、今までほとんど概説・研究を見たことがない日本中世の風水思想に関する議論がある。沖縄をクローズアップしているのも本書の特徴で、第四章ではユタなど沖縄のシャーマニズムに関する議論がある。ユタ(的な人々)、あるいは横浜中華街の占い師は、彼らがそのような活動を始める経緯を見ていると、台湾で神かがりになるような人と状況が似通っているように感じた。2023/08/15
もるーのれ
5
古代から現代に至るまでの、東アジア世界における様々な巫術・占術が取り上げられている。実に多様で、特に中世以降の事例は不勉強なため新鮮だった。印象的だったものを挙げると、①陰陽道での怪異を取り払う祭祀の展開。対症療法的だったものが、平安時代には怪異を元から断つ「百怪祭」が成立してくるという。②福原京・鎌倉の大倉幕府など中世の政治都市での、風水に即した都市計画の存在。古代の四神相応の地とは異なる風水思想が窺えるのは驚きだった。③沖縄のユタや横浜中華街の占い師。占いの内容なども現代社会らしいものになっている。2026/05/31




