目次
はじめに アジアンカルチャーの隆盛と日本
第1章 小室哲哉がリスナーに施した、BPM感覚と16ビートの“教育”
第2章 90年代末の“ディーヴァ”ブームと和製R&Bの挑戦
第3章 m‐floから考える、和製R&Bと日本語ヒップホップの合流地点
第4章 中田ヤスタカによる、“生活”に寄り添う現代版「家具の音楽」
第5章 Base Ball Bearから検証する、ロックにおける4つ打ちの原点
第6章 KOHHが雛形を生み出した、“トラップ以降”の譜割り
第7章 動画の時代に音楽と“ミーム”をつなぐダンス
第8章 “人間活動”以後の宇多田ヒカル
エピローグ 三浦大知と“J‐POP”以後
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
14
「J-Pop」という歴史的な特殊性(誕生からの流れが平成の30年とぼぼ重なってる)を帯びたジャンルを「リズム」から解釈し、小室哲哉、和製R&B、ヒップホップなどのバラバラな音楽現象に対して、一つのラインを丁寧に引いていく。読み終えて印象に残るのは「リズムから考えてない」ところで、サカナクションの音色への拘り、中田ヤスタカの「家具の音楽」性、宇多田ヒカルの「私小説」への距離感あたりの言及が面白い。というか「リズム」を通すことで、こういった個別の小さいトピックに広がりの出てくるところに気持ち良さがある。2019/10/07
オズ
2
宇多田2020/08/19
さのかずや
2
読みまし太郎。ゼロ年代後半から10年代前半でメロコア/青春パンクと4つ打ち日本語ロックに傾倒していた身としてはベボベの章が面白かったです。狭義4つ打ちのべボベ→KANA-BOON、メロコアの新天地としての4つ打ち、そしてサカナクション。ヤスタカ氏とピチカートの話も面白かった。2019/11/18
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2
タイトル通りのリズム研究・批評本。トラックや歌の拍だけでなく、曲を構成する音それぞれのリズムの構造を、とりわけフロウの観点から分析し、J-POP史として綜合する。特に6章のKOHHを始めとしたラッパーたちがリズムにおいて何をやっているのかを分析している箇所が白眉。2019/11/17
tegi
1
リズム感のないわしには難しいのでは…と思っていたがそんなことなく、むしろ音楽そのものより周辺文化の動向みたいなものがわかりやすくなっていくことに(普段の著者のSNSでの誠実な発信などを知っていると一層)申し訳なさ・やましさを感じてしまう一冊。面白いから一気読み、ではなく取り上げられる各楽曲をじっくり聴いて精読すべきだったのかもしれない。
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