内容説明
政治は誰のためにするものか。律令制に尽力した藤原不比等、政権に叛旗を翻した藤原広嗣、天然痘に苦しむ人民を見過ごした聖武天皇―皇族・貴族など支配者層にとって、国家・社会・民衆はどう映っていたのか。為政者たちの視点からこぼれ落ちた事実をすくいあげ、歴史を再評価する。
目次
1 国家・施策(近江大津宮の遷都理由と選地;日本書紀編纂の材料と経緯;疫病の流行―律令国家の天然痘への対処法 ほか)
2 氏族・人物(神武東征譚成立の理由をさぐる;葛城一族滅亡のシナリオ;物部氏の神話と職掌 ほか)
3 社会・慣習など(コトバを創り、話したように記す―古代びとの挑戦;日本古代の高齢者;牛と古代びと ほか)
著者等紹介
松尾光[マツオヒカル]
1948年、東京生まれ。学習院大学文学部史学科卒業後、学習院大学大学院人文科学研究科史学専攻博士課程満期退学。博士(史学)。神奈川学園中学高等学校教諭・高岡市万葉歴史館主任研究員・姫路文学館学芸課長・奈良県万葉文化振興財団万葉古代学研究所副所長を歴任し、その間、鶴見大学文学部・中央大学文学部・早稲田大学商学部非常勤講師を兼務。現在、奈良県立万葉文化館名誉研究員、早稲田大学エクステンションセンター講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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