内容説明
人間のもの狂いを描いているのが物語なのだ。『竹取物語』に始まり、『源氏物語』で究極に達する。それを見事に継承したのが世阿弥の能の世界だった。そして能作品はもの狂いの果てにあるものまで私たちに見せてくれる。
目次
序 もの思いからもの狂い、そしてさすらいへ
1 『源氏物語』六条御息所論―もの狂いの原点として
2 『源氏物語』末摘花論―異形の女神
3 『源氏物語』花散里論―乙姫の宿世を生きる
4 『とはずがたり』後深草院二条論―さすらいの母
5 もの狂い考―能の“もの狂いの女”
6 世阿弥レポート1~6
7 その後の世阿弥―もの狂いの果てにあるもの
あとがき―古代的なるものを探して
著者等紹介
小林とし子[コバヤシトシコ]
昭和29年(1954)3月大阪市に生まれる。大阪府立北野高等学校、京都女子大学文学部国文学科卒業後、大阪府立高校の教員になる。昭和59年(1984)、栃木県宇都宮市に住む。昭和63年(1988)宇都宮大学教育学部大学院修士課程修了。平成6年(1994)学習院大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士後期課程満期退学。現在、作新学院大学で非常勤講師。日本文学協会会員。著書・論文、『さすらい姫考―日本古典からたどる女の漂泊』2006年笠間書院(2006年度女性文化賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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