内容説明
錯綜する記憶・意識・時間の流れを活写し、「現代のプルースト」と称されるモディアノ。その独特で華麗なテクストを「秘密」「謎」「手帳」「犬」「傷跡」「希薄な家族関係」「失踪する女性」などを鍵語に精緻に読み解く。現実と虚構を軽やかに往還するテクストの快楽。
目次
はじめに―テクストの快楽を探して
第1章 『小さな宝石』(二〇〇一年)―忌避と愛着、あるいは母をめぐる物語
第2章 『夜の事故』(二〇〇三年)―記憶という迷宮のなかで
第3章 『失われた青春のカフェで』(二〇〇七年)―ルキ、永遠の謎
第4章 『地平線』(二〇一〇年)―失われた青春の時を求めて
第5章 『夜の草』(二〇一二年)―謎深き過去に身を任せて
第6章 『あなたがこの辺りで迷わないように』(二〇一四年)―書物に託された積年のメッセージ
第7章 『眠れる記憶』(二〇一七年)―反復と消失の彼方に
おわりに―現実と虚構の軽やかな往還
著者等紹介
土田知則[ツチダトモノリ]
1956年、長野県に生まれる。1987年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。千葉大学名誉教授。専門はフランス文学・文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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