感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
166
いつどこで何が起こるかわからない。数年前の北部九州集中豪雨がきっかけとなり誕生した絵本。災害が起こるとき、人間だけでなく動植物も被害を受けている。あとがきには「共に歩む誰かの足音だったり、ささえる手のぬくもりだったり、泣きたい時に泣けることだったり、ただ何も言わずに側にいることだったり」そんな言葉が記されている。その想いがぎゅっと詰まっている。くまとかき、どちらも取り残されてしまったけど、声をかけあって暖かな土地を探し歩く。たとえ荒れ地で途方に暮れたとしても、どんなに寒かったとしても、遠い春を待っている。2024/12/07
たまきら
39
まだ記憶に新しい九州の豪雨被害。この絵本は著者が復興団体との出会いを経て、現地で暮らしてできたお話だそうです。とても暖かい目線ですが、エゾヒグマだと思い込んで読み始めたのでちょっとびっくりしました。…九州はツキノワグマが絶滅している地区なので、つい…。考えすぎてしまってすみません。あと、クマの糞からの発芽率がいい可能性を考え始め…はっ!いかんいかん!2025/03/27
れっつ
38
豪雨災害で山や川が崩れ、住み処を追われたクマが、途方に暮れながらも里山で新しい安住の場所を求め彷徨っていると、ある柿の実が話しかけてきて2人は出会います。1人で心細かったクマの気持ちが、1人で移動できない、けれど明るく前向きな小さな相棒を乗せて共に歩くうち、生き生きと逞しく、優しく変化していく様子がとても素敵で、心がほっこりあたたかくなります。仲間がいること、お互いのために助け合い共に歩むこと、離れても仲良しでいること…。いろんなことが違っても、互いに欠けがえのない大切な存在になれる、希望の物語です。2024/09/30
イケメンつんちゃ
31
カラオケ行こ! 季節の中で 熱唱するしあわせの五十代 惑星って 或る日 心が生まれる NHK短歌で言ってました ネタのタネはあちらこちらに 拾いましょう 目立つものは 素早く拾いましょう 津波はいろんなものをさらって行きました 住んでいるところ 思い出の品々 人々のしあわせな日常 失意は儚く 日本画の様な 線描写で描かれた風景 熊と柿の友情と冒険の秋三昧 落ち着いたトーン ひとりは土に眠り もうひとりは森に眠る その人物の名は と聞かれたら 野口雨情 と答えてください 春競馬もいよいよ ピコチャンブラック2025/03/17
anne@灯れ松明の火
30
新着棚で。畑を荒らすくまの話かな、なんて思っていたのだが、袖に、”2017年に九州北部豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市が舞台になっている”とあり、驚いた。テーマを知らなかったし、朝倉市は義妹ちゃんの故郷で、ご実家も兼業柿農家。毎年母に、甘くて、大きな柿を送ってくれる。大雨で家を壊されたくまと流されてきた実のついた柿の枝が出会う。山に帰りたいと頼む柿を大事に持って、くまは崩れた道を進む……。思いがけない災難に遭い、支え合って、目標に向かって進むくまと柿。なるかわさんの絵も優しい。多くの人に読んでほしい作品。2024/12/28
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- 和書
- オーソン・ウェルズ偽自伝