内容説明
没後20年。2001年9月9日、相米慎二監督は逝った―。13本の監督作品を残して。1994年から95年まで、相米慎二が雑誌連載していた幻のエッセイがあった。「相米慎二 最低な日々」。27年の時を超えて、その文章が、現代に蘇える。相米映画を彷彿させ、また、時にその次元すら超える、全く色褪せない相米慎二ワールドがここに、ある。未来が、ある。
目次
1 『ねこ』をのみこんだ話
2 ハゲとアサガオ
3 フタリシズカ
4 正体
5 欧州の空
6 ババア×2
7 新しいメガネ
8 春一番
9 湯治
ラストシーン 水平線の彼方へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさやん80
1
没後20年ということで、相米慎二関連本の出版が相次いでいる。これもその一つ。 相米慎二のエッセイ、自作を語る、Q&Aが収められている。自作について語ることの少なかった相米だけに、貴重な文献だが、相変わらず絶妙にはぐらかして「あいまいしんじ」の面目躍如である。一番グッとくるのは、永瀬正敏のあとがきだろう。相米おやじとの交流や言葉が披露され、相米映画の魅力が語られる。2021/10/26
Mitsuhito Shiraha
0
私が一緒に仕事をした榎木孝明さんは相米さんについて大変だった、とだけであまり多くを語ってはくれなかった。いやそれは本当に大変だったのだろう。河合美智子さんはそれこそ昨日の出来事のようにその現場の様子を語ってくれた。本書の、永瀬正敏さんの後書きはまた別の体感と視点で相米さんの輪郭を伝えてくれる。それが永遠の弔辞のようで、出色。2022/08/15