内容説明
「冷静に、計画的に、そして巧妙に隠される虐待」。わが子を病気に仕立て上げ、医療を隠れ蓑にしておこなわれる、知られざる医療虐待の実態。
目次
第1章 ミュンヒハウゼン症候群とは何か(「ミュンヒハウゼン症候群」とは;アッシャー先生による記念すべき3つの症例報告 ほか)
第2章 代理ミュンヒハウゼン症候群とは何か(代理ミュンヒハウゼン症候群との出会い;代理ミュンヒハウゼン症候群のことはじめ ほか)
第3章 代理ミュンヒハウゼン症候群の実例(日本での症例報告;海外の症例:MSBP被害者からの勇気ある報告 ほか)
第4章 MSBPは「病気」なのか(MSBPをめぐる混乱;心配性の親 ほか)
著者等紹介
南部さおり[ナンブサオリ]
日本体育大学スポーツ文化学部武道教育学科教授・医学博士。高知県生まれ。2000年、明治大学大学院法学研究科前期博士課程修了(法学修士)。05年、横浜市立大学大学院医学研究科博士課程修了。05年、横浜市立大学医学部法医学教室助手、06年同助教。16年に日本体育大学体育学部に移り、20年より現職。専門分野は法医学・刑事法学・スポーツ危機管理学。児童虐待やスポーツにおける体罰・ハラスメントに関する問題を、医学・法学等の分野横断的なアプローチで研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひらちゃん
71
知ってました?ミュンヒハウゼン症候群。あのホラ吹き男爵から名付けられたように嘘ばかりついてしまう病気。思えばそういう人何人も今まで出会った。あきらかな嘘ばかり吐く。この本の症例はそれが病気だとする嘘。何度でも病院にかかり発覚する。代理ミュンヒハウゼン症候群とは、それを子供など自分ではない者を病気に仕立て繰り返すこと。私には立派な虐待としか思えません。つい手にしたら止められなくなったのは、自分もしていたんじゃないかと恐ろしくなったから。あまりにも極端な症例でまるで見当違いだったけれど。子供のころちょっと→2021/07/24
いちろう
4
特に医療従事者、心理学など、学ぶと 兵器になるとおもった! 確立性 しかし、こんな虐待は 人殺しだ! ゆるせん!2021/08/02
fuwa
1
「代理ミュンヒハウゼン症候群」という言葉の現在の使われ方に対して、社会の誤った理解を懸念している南部さおりさん。一貫したその姿勢と並行して、映画やTVといったマスコミでどのように取り扱われてきたかがコラム的に取り上げられており、読み物として大変面白く一気読みしました。教育虐待のように、医療的虐待が存在すること、加害者がその行為に至ってしまう下地が現代社会にあること―母親として、一社会人として学ぶことが出来ました。2021/09/02
Go Extreme
1
ミュンヒハウゼン症候群とは何か:記念すべき3つの症例報告 ミュンヒハウゼン症候群と裁判 社会的緊張理論 代理ミュンヒハウゼン症候群とは何か:偽装者と作出者 小児科医学会の診断手引き 親の精神疾患 代理ミュンヒハウゼン症候群の実例:日本での症例報告 海外の症例 MSBP被害者からの勇気ある報告 MSBPと性、ジェンダー MSBPは「病気」なのか:MSBPをめぐる混乱 心配性の親 不安ビジネス 精神病とは何か 診断マニュアルの暴走 親の欲求による虐待 タイガー親子症候群 意識気づき 医療的虐待(MCA) 2021/07/26
risky178
0
なかなか難しく頭がこんがらがってくる。が、一応は理解できた。代理ミュンヒハウゼン症候群についてこんなに詳しく知ろうとする人は多くないはずなので今後もこの言葉がメディアで使われ続ける以上誤解は仕方ないなぁと思った。事例が多くなっているが読んでいると胸糞悪い。2021/09/14