内容説明
西欧文明がゆきついた果て―核戦略の時代に生きる人間が想像力の裡から消し去ってはならないこと。ノーベル文学賞受賞という最高の栄誉と、投獄2回・教職剥奪2回という受難。数理論理学の大著『プリンキピア・マテマティカ』から世界平和を実現する構想に至るまで、みずからの生命の躍動のままに千変万化したバートランド・ラッセルの強烈なスピリットが蘇る―。大正日本、そして戦後日本の視点をとおし、いま描き出す新しいラッセル像!
目次
第1部 大正日本とラッセル(日本思想界のラッセル;人間ラッセル対極東)
第2部 ラッセルの機知と怒り(機知と怒り・素描;背徳としての論理)
第3部 核時代のドン・キホーテ(水爆愛、そして懐疑の終焉;ドン・キホーテ、立つ)
第4部 平和運動と自己(啓発された利己心・聖なる利己心;ファウストとしてのラッセル)
第5部 核の世界(滅亡のイメージ;戦後日本とラッセル)
著者等紹介
三浦俊彦[ミウラトシヒコ]
1959年長野県生まれ。東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業。89年、同大学院比較文学比較文化専門課程単位取得退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部/美学芸術学研究室教授。専門は美学・形而上学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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