国籍と遺書、兄への手紙―ルーツを巡る旅の先に

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国籍と遺書、兄への手紙―ルーツを巡る旅の先に

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  • サイズ 46判/ページ数 216p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784909753151
  • NDC分類 334.41
  • Cコード C0036

内容説明

「韓国籍…?」戸籍に見慣れない文字を見つけたのは高校二年生のときだった。父が在日コリアン二世だと知った瞬間だった。そこから私の、ルーツを巡る旅が始まった。

目次

第1章 旅のはじまり
第2章 「家族とは何か」から「故郷とは何か」へ
第3章 ルーツをたどって
第4章 残された手がかりをつなぎ合わせて
第5章 ヘイトは止まらない濁流のように
第6章 祖父母の「故郷」、韓国へ

著者等紹介

安田菜津紀[ヤスダナツキ]
1987年神奈川県生まれ。認定NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)副代表。フォトジャーナリスト。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。現在、TBSテレビ『サンデーモーニング』にコメンテーターとして出演中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ネギっ子gen

67
【戸籍に見慣れない文字を見つけたのは高校2年の時。父が在日コリアン2世と知った瞬間から、私のルーツを巡る旅が始まった】フォトジャーナリストが綴ったルーツを巡る物語。カラー写真多数。巻末に参考文献。2023年刊。<この社会に存在する航跡や出自、ルーツや文化の「違い」は、「なくすもの」でも「乗り越える」ためのものでもない。だからこそ「皆、地球人」という、フラットに均(なら)してしまう語りにも違和感がある。違いが違いとして、ただそこに自然と存在することができる社会が、生き心地のいい場所なのだと、私は思う>と。⇒2025/12/18

天の川

63
日曜朝の情報番組で時々拝見するフォトジャーナリストの安田さん。弱い立場の人々に寄り添う発言が印象的だ。高校2年生の時に自死した父が在日2世だったことを戸籍によって知り、自らのルーツを探ることで在日の人々が置かれた過酷な状況を知ることになる。ヘイトスピーチや朝鮮学校への差別などは報道によって知ってはいたが、この本で「朝鮮籍」と「韓国籍/北朝鮮籍」の根本的な違いを初めて知った。(安田さんの自死した異母兄の戸籍が非嫡出子であった理由もそこにあった。)安田さんと共に学ぶ。知ることで見方が変わると改めて思う。2024/03/19

しゃが

54
著者の父は在日コリアン2世だった。死後に知り、揺らぐアイデンティティは彼女を多くの疑問とともにルーツを巡る旅へ、フォトジャーナリストとしても。祖父母・父・兄の少ない手掛かりで、根気強く痕跡をたどっていく…。祖父たちの男たちの足跡でようやく、親戚たちに会うことができたが、祖母はわからなかった。歴史や文化のなかでも女たちの置かれたことがこれからのフィールドワークになるのだろう。文中の「弱かったのは、個人でなく、社会の支えでした」は不当な出来事にあった人や今の差別にあっている人すべてに通ずる重い言葉だった。 2023/07/02

あや

22
高校生の時にボランティアでカンボジアに行くためにパスポートを取ろうとして戸籍を見た時に初めてお父様が在日韓国人であることを知った著者安田さん。デリケートな問題を丁寧に美しいお写真を添えて、時には陰惨な差別表現にも触れつつ、本編が始まる前に、何ページに差別表現があるかをお知らせしてくれる、ご自分のルーツを辿る旅。ただそこに自然と存在できる社会が生き心地の良い社会なのではないか、とエピローグに綴られる。2023年刊。巻末に挙げられた参考文献も読んでみたい。2025/11/24

Mc6ρ助

20
これは単に安田菜津紀さんの単にクンタキンテを求める旅ではないのでたどり着いたら終わりとなる話ではない(いやまあ、「ルーツ」自体がクンタキンテにたどり着いて終わりな話ではなかったが)。清算すべきものを清算しなかったことが悔やまれてならない今の日本、同じことを繰り返しそうなことが辛い。繰り返される『「弱かったのは、個人でなく、社会の支えでした」(p211等)』はそれはそうだけど、社会の支えを弱めたのは、自助、公助と宣いお金は吸い上げて社会の上の方で回す体質を肥大化させてしまったからだよね。2023/09/27

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