ヒロインたちの聖書ものがたり―キリスト教は女性をどう語ってきたか

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ヒロインたちの聖書ものがたり―キリスト教は女性をどう語ってきたか

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  • サイズ 46判/ページ数 304p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784909753090
  • Cコード C0016

内容説明

マグダラのマリアは、キリストの愛人!?旧約聖書・新約聖書に登場する約40人の女性たちの物語をとおして聖書全体の歴史を再構築する。

目次

プロローグ 聖書のものがたりと歴史
第1章 祝福された女たち―旅の途上で
第2章 生き残りを賭けて―戦乱と混迷
第3章 語り出す女たち―王国の統一、その光と影
第4章 権威と権力を身に纏う女たち―王国の分裂と崩壊
第5章 イエスと共に生きる
エピローグ 忘れ去られた女たち

著者等紹介

福嶋裕子[フクシマユウコ]
青山学院大学理工学部教授、宗教主任(チャプレン)としてキリスト教概論を担当。ハーバード大学神学部博士課程修了(専門:新約聖書と初期キリスト教の諸起源)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

rinakko

13
例えば、マグダラのマリアと言えば当たり前のように元娼婦とされ、長く豊かな髪で描かれてきた(イエスの足を拭ったのは別の人物)。なぜそのような聖書の誤読が、文化的な刷りこみとして人々に影響を与えることになったのか…とか。忌み嫌われた王妃は本当に邪悪だったのか、5人の夫がいた女は非難されても仕方ないのか、“罪の女”を娼婦とする解釈は確かなのか。「女性」という「他者」の視点で聖書を見つめる。すこぶる面白かった。2020/12/09

マリア・マルタ

2
聖書に不案内な人にもわかりやすく腐心されたと思われ、女性たちの人物像や人生から旧新約聖書の壮大な物語をたどれるようになっています。 各章のはじめに大まかな歴史の流れが客観的な筆致で説明され、それがよくまとまっていて納得。 しかしその解釈は、やはりある程度の聖書知識が下地にあってこそわかる、常識を覆す面白さ! 聖書は読んでみてるがイマイチ宗教的な記述がわからんなーという経験のある読書家にオススメ。 また、聖書の物語ならひととおり知ってるのよ~という読書家には「えっ、そう来る?!」と言わしめるはず。2021/01/05

ころりん

1
聖書に登場する女性たちに注目しながら、聖書の物語を俯瞰する。 時代時代の文化・価値観を紹介しながら、伝統的解釈・現代的色眼鏡を批判し、解釈の幅を広げてくれる。 サラにとってアブラハムからファラオに「売られた」傷の深さ。 狂王サウルに真実を尽くした霊媒女。 兄にレイプされたタマルを、父も実兄も黙らせた事実。 家父長権という暴力を、あぶり出してくれる。 全部の読み方に賛同はできないけれど、「そんな読み方が!」と思わせてくれる贅沢な読書。 いや今、女性が、聖書に重ねて訴えている叫びは、確かに聖書のメッセージです2021/03/13

nekomeys59

1
聖書で語られる数少ない女性たち。聖書を正統的に読み解くだけでなく、彼女たちの心情や内面も読み解いている。本書から、聖書で聖者扱いされる男性達の不条理な扱いも描きつつ、そこから逞しく生きていた女性達や、やむなくそれに屈する人生。ジェンダー的な事に引っかかる聖書も、本書のように読み解けば、女性達の一大人生物語として面白く読める。2020/12/29

singoito2

1
筆者は青山学院大学のチャプレンで普段から接している学生さんを思い描きながら執筆されのでしょう、全体に平易で分かりやすい内容です。ただし、そういう易しげな見かけにかかわらず?現代的な問題意識と柔軟で率直な聖書理解が随所に見られる、実は高度な内容を含んだ1冊に仕上がっています。これから聖書を読みたい人、キリスト教に興味のある人にはお奨めできる1冊です。2020/10/21

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