内容説明
困難な状況に置かれた人々を生み出す社会の矛盾に目を向け、当事者主体の支援を展開しながら、人々を抑圧する構造の変革をめざすソーシャルワーク。だが、その本質を失いかけているといわれて久しい。ソーシャルワークはなぜ視野を狭め、非政治化したのか。フェミニズムとジェンダーを通して、ソーシャルワークを批判的に検証し、その変革への糸口を示す。
目次
1 語られていない構造とは何か―ソーシャルワークと「ジェンダー・センシティブ」
2 女性福祉からフェミニストソーシャルワークへ―バトラー以後に向けて
3 家族福祉論を通して、ジェンダーを社会福祉学に位置づける
4 性被害体験を生きる―変容と停滞のエスノグラフィー
5 “LGBT”とソーシャルワークをめぐるポリティクス
6 「晩年の自由」に向けてのフェミニストソーシャルワーク―老いゆく人との女性史的実践と“継承”
7 内面化したジェンダー規範と戸惑い、葛藤―母子生活支援の最前線に立つ援助者の語りから
わたしとジェンダー―現役ソーシャルワーカーがジェンダー学習会で学んだこと、気づいたこと
著者等紹介
横山登志子[ヨコヤマトシコ]
同志社大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(社会福祉学)、精神保健福祉士。精神科ソーシャルワーカーとして勤務経験を有する。現在は札幌学院大学人文学部教授。専門はソーシャルワークの理論と実践、経験的世界の探求、家族支援や女性支援。最近は、DV被害母子の支援に関する質的研究を行っている
須藤八千代[スドウヤチヨ]
愛知県立大学名誉教授
大嶋栄子[オオシマエイコ]
北星学園大学大学院社会福祉学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(社会福祉学)。特定非営利活動法人リカバリー代表、日本精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員
鶴野隆浩[ツルノタカヒロ]
1986年大阪大学人間科学部(社会学)卒業。2001年同志社大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。現在、大阪人間科学大学人間科学部社会福祉学科教授
中澤香織[ナカザワカオリ]
北海道大学大学院教育学院博士後期課程中退。専門は社会福祉学。社会福祉士、精神保健福祉士。現在、札幌大谷大学短期大学部保育科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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あくせるがつきー