内容説明
地層のように積み重なるまちの記憶や人びとの息づかい。右に行こうか、左に行こか―台湾のY字路に立ち、忘れられた歳月を拾う旅。
目次
1 台北、Y字路さがし。(Y字路さがし時間旅行―同安街とN記者;水の旅―最古の水路・霧裡薛〓を辿って;タイムカプセル、ひらく―南昌路をあるく;石とY字路とわたし―「辺界」に出会う;味覚の記憶地図―師範大学から永康街へ;忘却のタイムスリップ―わすれ形見のY字路;台北の下を水は流れ―安和路をめぐる旅;北門ちゃん―都市計画のY字路;〓〓(バンカ)の動く城―台北下町物語
風水なY字路―台北府城いまむかし
カフェー桃源―女たちのY字路
描かれたY字路―台湾アイデンティティを探して)
2 台湾、Y字路ところどころ。(Y字路の部屋貸します。―新荘;福和橋のフリーマーケット―永和;板橋に、お城?―板橋;戯夢人生―三芝;Y字路のあたまとしっぽ―三峡;台湾の見世物小屋・日本の見世物小屋―内湾;台南一の肉まん―台南;ラブのリバー―高雄)
著者等紹介
栖来ひかり[スミキヒカリ]
文筆家・道草者。1976年生まれ、山口県出身。京都市立芸術大学美術学部卒。重層的な台湾の魅力をつたえる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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livre_film2020
31
台湾の土地に全然明るくないので、Y字路の地図を見てもピンとは来なかった。が、古地図を読み解きながらなぜY字路になったのかを辿る旅は興味深かった。あとがきを読んで、台湾をミルクレープに喩えるのは言い得て妙だなと思った。どんな土地にも歴史があり、複層的なものなはずだが、特に台湾は支配者の入れ替わりが激しかった点で顕著だろう。台湾の道にはほぼ必ず名前があり、日本の道にはないことがままあると聞いて驚いた。それはそうかもしれない。ぼんやり歩いている日本の道も過去と繋がりがあるに違いない。台湾を再訪したくなった。2023/09/15
かみつきいぬ
2
面白くて、もったいなくて、少しずつ読んだ。Y字路そのものの記載も良いけど、それに関連づけられる歴史、芸術の記載がとても興味深い。 特に台灣映画好きにこの本はたまらないと思う。有名映画以外に「西門に降る童話」、「まごころを両手に」、「目撃者」と私の好きな映画も記載があって嬉しい。 本を片手に台湾長期滞在したいな。2021/01/10