感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キリン
11
島原に越してきたばかりの少年・孝(小1)。父親が病床に臥せている為生活保護を受けながら、地元に慣れ親しんでいく様子を描いた小説▼ 前半は主に孝の家族の話。新聞の集金に勤しむ母親、そのために役所から文房具の施しを受ける等、惨めさがリアルに描かれている▼ 後半は一転変わって、島原にやってきたサーカス団の少女・雪子の話。学校に通えない辛さが描かれている▼ 戦後すぐの筆者の経験を元に描かれた本★4.0 子供に読ませてあげたい2022/08/17
風が造る景色
2
いまからおよそ30年前に書かれた小説。作者が骨折して自宅療養している時期に子供たちに読ませるために書き始めた。 父親の病気で雲仙島原、島原城の三の丸の原っぱにあった家に越してくる小学一年生の孝と隣の家の同級生の則秋、そして空地にやってきたサーカスで生活する少女、雪子。 サーカス小屋、梅三じいさん、ハゼ釣り、潮干狩り、芋ほり。 3丁目の夕日的な、不便で貧しいけれど、同級生、先生、家族、周りの子供達も大人も、訪っておけない時代の優しさがたくさん溢れる作品。2021/07/11
hakofugu
1
自 ★★★★☆ 4.02024/11/18
ナカ
0
現代失われたものばかり。特に生活保護を受けて、文房具の無料支給を受けた際の文房具屋の店主の様子、また孝のいたたまれない気持ち等、こんな気持ちがあって踏ん張ってきた矜持を感じる。2022/03/03