内容説明
正体不明の美少女が脅し、惑わし、導く―彼女の狙いとその結末は?驚愕と感動の18篇。
著者等紹介
太田忠司[オオタタダシ]
1959年、名古屋市生まれ。81年、「帰郷」が星新一ショートショート・コンテスト優秀作を受賞。90年、ミステリ長篇『僕の殺人』で本格的な作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
98
笑ウせぇるすまん、というよりはアウターゾーンのミザリィか。密原トリカはどこにでもいる。小柄な体にサイズの合わない眼鏡をかけて。卑しい男達の前に、純真無垢な子供達の前に。彼女は現れる。そして時に罪への妥当な罰を、時に不条理な悪意を与える。読み手もまた登場人物達と同じく、次々と表情を変える彼女に翻弄され右に左に揺さぶられ、更には表裏さえ逆にされてしまう。現実味のある話から、SFやファンタジーまで、密やかに語られる物語達に読書の原点の愉しさを覚える事間違いなしのSS集。読めばあなたもトリコになること間違いなし?2019/05/18
優希
69
日常のような、それでいながら別世界のような不思議な雰囲気がありました。密室トリカと関わる人々。正体不明なトリカが脅し、惑わし、だからこそ何かが起こる。日常の狭間だからこそ語られる物語でしょう。2019/03/18
mocha
60
【第5回チョコ民党読書大会】にて。ショートショートはいつも読了に時間がかかるのだけど、この本はやめられなくて一気読みだった。次はどんなトリカちゃん?とワクワク。可愛らしい少女かと思いきやアンドロイドだったりこの世のものでなかったり…。ブラックかと思えばほのぼの、変幻自在なキャラクターが楽しい。キノブックスもうなくなったのね。ということはこの本も絶版かぁ。残念!2022/06/14
ami*15
46
謎めいた密原トリカという女性と彼女と何らかの形で出会い惑わされていく人々の物語。奇妙で現実離れした内容が多かったが、単に奇妙といってもホラー的な話やファンタジー的な話など「奇妙」でも様々なバリエーションの物語が見られたところが好印象でした。お気に入りさんのレビューを通じて知った1冊なので、このサイトがきっかけでまた新たな好きな物語に出会えて嬉しかったです。個人的には「あの角を曲がれば」のノスタルジックな不気味さが凄く好きでした。またいろいろな姿の密原トリカに出会ってみたいものです。2019/06/09
Zann
38
★★★★☆読友さんお二人の『アウターゾーンのミザリィ』という例えとキャッチーな『さてさて、あなたはどのトリカがお好みかしら。』とのレビューに誘われて読了。世にキミョっぽいショートショートが18話、掴み所が全くない18人のトリカさん。星新一にちょっぴりラノベを足した感じで、短さと読みやすさと面白さであっという間に読了。甲乙つけがたい作品集だったが、敢てつけるなら『虎を飼う』かな。あんなふうになれるなら、頑張って子虎飼うよ。可愛いしね。(95)2019/06/27