内容説明
あまりに理屈っぽく長大な台詞、「暗い」人間認識は、今日の観客からは敬遠されるのかもしれない。しかし、こうした苦悩を描いた点にこそ、青果が昭和初期の大劇場を代表する劇作家として広く支持された理由があったのではないか。孤独感や人生のままならなさは、現代の人間にとってもけっして無縁のものではなかろう―。劇作家、小説家、研究者等、容易に捉えきれないさまざまな顔を持つ青果に、改めて光を当て、その全貌に迫る。
目次
1 交友関係(真山青果の交友関係見取り図)
2 小説家・研究者(小説家―青果と国木田独歩;研究者―青果の西鶴研究 ほか)
3 劇作家(総説―多面的劇作家としての青果‐多彩な人物像;元禄忠臣蔵―サムライの文学の伝統と近代‐真山青果「大石最後の一日」 ほか)
4 青果作品小事典―戯曲・小説・評論・研究(南小泉村;敗北者 ほか)
5 ビジュアルガイド―画像で辿る真山青果
著者等紹介
飯倉洋一[イイクラヨウイチ]
大阪大学教授。専門は日本近世文学
日置貴之[ヒオキタカユキ]
白百合女子大学准教授。専門は日本近世演劇(歌舞伎)
真山蘭里[マヤマランリ]
真山青果の長女、真山美保が創立した劇団新制作座代表。舞踊名藤間晃保として新制作座の研修生の日本舞踊の指導に当っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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