“原作”の記号学―日本文芸の映画的次元

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784909544018
  • NDC分類 778.21
  • Cコード C0074

出版社内容情報

『雪国』『羅生門』『夫婦善哉』などの文芸映画を、その原作である文学作品との相関関係から読み解き、オリジナリティの本質を探る。すべての創作物は第二次テクストである。

文学作品を原作とし、その変異としてあるはずの文芸映画が、にもかかわらず、かけがえのない固有性を帯びるのはなぜか。
『雪国』『羅生門』『浮雲』『夫婦善哉』『雨月物語』『山びこ学校』など戦後日本映画黄金期の名作から、『心中天網島』などの前衛作、『神の子どもたちはみな踊る』『薬指の標本』といった現代映画までを仔細に分析し、オリジナリティという観念に揺さぶりをかける。


序説 文芸の様式と映画の特性──豊田四郎監督『雪国』

? 〈原作現象〉の諸相
第一章 〈原作〉の記号学── 『羅生門』『浮雲』『夫婦善哉』など
第二章 《複数原作》と《遡及原作》── 溝口健二監督『雨月物語』
第三章 古典の近代化の問題── 溝口健二監督『近松物語』
第四章 〈原作〉には刺がある── 木下恵介監督『楢山節考』など

? 展開される〈原作〉
第五章 意想外なものの権利── 今井正監督の文芸映画『山びこ学校』と『夜の鼓』
第六章 反転する〈リアリズム〉── 豊田四郎監督『或る女』
第七章 擬古典化と前衛性── 篠田正浩監督『心中天網島』
第八章 混血する表象── トニー・オウ監督『南京の基督』

展望 第二次テクスト理論の国際的射程── 映画『神の子どもたちはみな踊る』と『薬指の標本』

中村三春[ナカムラミハル]
著・文・その他

内容説明

原作の変異としてある文芸映画が、にもかかわらず、かけがえのない固有性を帯びるのはなぜか。すべての創作物を第二次テクストとして見る立場から、『雪国』『夫婦善哉』『山びこ学校』『心中天網島』などを分析し、オリジナリティという観念に揺さぶりをかける。

目次

序説 文芸の様式と映画の特性―豊田四郎監督『雪国』
1 “原作現象”の諸相(“原作”の記号学―『羅生門』『浮雲』『夫婦善哉』など;“複数原作”と“遡及原作”―溝口健二監督『雨月物語』;古典の近代化の問題―溝口健二監督『近松物語』;“原作”には刺がある―木下恵介監督『楢山節考』など)
2 展開される“原作”(意想外なものの権利―今井正監督の文芸映画『山びこ学校』と『夜の鼓』;反転する“リアリズム”―豊田四郎監督『或る女』;擬古典化と前衛性―篠田正浩監督『心中天網島』;混血する表象―トニー・オウ監督『南京の基督』)
展望 第二次テクスト理論の国際的射程―映画『神の子どもたちはみな踊る』と『薬指の標本』

著者等紹介

中村三春[ナカムラミハル]
1958年岩手県釜石市生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程中退。博士(文学)。北海道大学大学院文学研究科教授。日本近代文学・比較文学・表象文化論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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K.H.

5
少し前に読んだハッチオンの本の各論といった感じだった。そしてその対象は、タイトルの通り日本文芸とそれを原作とする映画。筆者オリジナルの〈遡及原作〉や〈複数原作〉という概念は面白かった。特に遡及原作。これは原作にさらに「元ネタ」がある場合、原作のアダプテーションである映画がその元ネタをも取り込もうとするというもので、なるほどと思わされた。ところで、映画への評価は若干甘めな気がする。酷評された映画も救い上げている。もっともこの点は、「原作を損なっている」式の既成の批評が問題とされるべきなのかもしれない。2022/06/25

 

2
再読。ジュネットの『パランセプト』の「第二次テクスト」を足がかりに、「映画」と「文学」の交通を論じている。大まかに言えば三つである。ある文芸作品を映画化するに際して原作が共時的に複数存在する「複数原作」、複数の原作が時系列的に介在する「遡及原作」、あるいは原作と映画の「相互作用」。文芸テクストと映画という異質媒材間における変換過程において「映画は原作を解きほぐし、織り直し」て「それまでは見えていなかったものを発見し、それまでは存在していなかった何ものかを」付け加えるのである。2022/07/06

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