内容説明
琉球の初期王統は実在したのか?進展目覚ましい考古学の成果から琉球王府の正史にひそむ虚構の歴史を照らし出す。その王たちは「太陽の王」だったのか?
目次
1 古琉球時代の歴史像(グスク時代以前の琉球弧;城久遺跡群とグスク時代の幕開け;グスク時代の沖縄社会;三山時代から琉球国へ)
2 琉球王権の成立と「太陽の王」の観念(アマミキヨをめぐる問題;舜天王統は実在したか;英祖王統は実在したか;三山時代の内情;太陽神と権力者―「てだ」「てだこ」をめぐる問題;「太陽の王」の成立)
著者等紹介
吉成直樹[ヨシナリナオキ]
1955年生。秋田市出身。法政大学沖縄文化研究所教授。理学博士(東京大学)。地理学、民族学・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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図書館にて借りる。考古学や言語学も踏まえた内容。初期の沖縄島の開発は喜界島の夜光貝交易に関係するものだった、為朝伝説は島津氏ではなく足利将軍家への配慮だった、英祖王統と察度王統は並列していた、察度王統は亡命朝鮮人の政権だった、三山時代は明の倭寇対策の結果であった、琉球王が太陽と同一視されるようになったのは明に対して王位継承の正当性を示すためだった、等々。なるほどと思う説もあれば、?な説もあり。最後まで沖縄の主体性は見えない。あとがきで歴史学と政治性の記述があるが、実証主義的にはそうなるということか。2023/03/28