感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
23
フィッシュマンズの映画公開に伴って出版された本。フィッシュマンズがフィッシュマンズであるために、佐藤さんがかけがえない人であることは、もちろんのこと。関わった人々が、すべて、等しくすばらしく感じた。honziは、自分にとっては、むしろ早川義夫さんだった。レコーディング期間に夜中にドライブ?いろいろあったんだなという裏話を知ることができた。2021/08/19
阿部義彦
16
5月26発売のフィッシュマンズのライブCD「若いながらも歴史あり~」を買いました。そのタイミングに合わせてフィッシュマンズの総特集号が本として発売されたので購入。フィッシュマンズははっぴいえんどと似て解散してからの方が評価がうなぎ登りなのですね。(奇しくもどちらもメンバーのうちの一人が既に亡くなってますが。)私も空中キャンプから入って、ロングシーズン、「宇宙日本世田谷」と聴いてハマったのでそれ以前のアルバムはデビュー作、とベスト「宇宙」「空中」しか持ってないのですが、それでも言わせて下さい、好きなのです。2021/05/30
加藤
2
"でも、それもこれも、バンドが作りたい音楽が明確にあって、それをZAKが形にしていくためだけに作られたスタジオだったわけで、そこらにあるのんきなプライベートスタジオではなかったですね。結果的に世田谷3部作を作るためにだけ存在した。だから普通のスタジオとは一線を画する、すごくすみずみまで理にかなったスタジオだったんだよね。""『男達の別れ』については、とにかく3人の最後のライヴになるわけじゃないですか。でもお金をかけると、リリースの企画書を書かなきゃいけなくなるわけですよ。もう、予算も残ってなかったし。そう2021/06/04
Rintaro
1
一つ一つアウトプットすることで初めて思考の処理が為されるかのような。佐藤伸治の突然死から20年近く経っているにも関わらず、語り手の関係者はまだ気持ちの分別がついて無いかのような緊迫・切迫・苦悶した空気感を文中の随所に漂わせている。 刹那的な美しさを纏ったフィッシュマンズのようなバンドのエピソードが1998年生まれの自分にもしっかりと届き感情が揺さぶられた事。バンドが存続することは奇跡に近いが、後年まで語られることも難易度が高いのでないだろうか。日常を彩る小さな偉業を徐々に積み上げていくのが彼ららしい。2021/07/24
白水阿弥陀丼
0
映画から1年以上経ったなあと再読。これ以上ないレベルのメンツの充実度には文句のつけようがない。今一度、生のフィッシュマンズ像を提示しているようだった。個人的な思いが詰まっており読ませる文章が多かった。結局のところ、佐藤伸治本人が核心を語ることがなかったから、その核心をみんな探しているのかと思った(読者も含めて)。90年代当時に軸足の置かれているので、後続世代のcero髙城氏のインタビューがかえって面白かった。没後20余年、受容史なんかがあってもよかったかもしれない。ファンには永久保存に足る一冊。2022/11/06