内容説明
鬼才小室直樹が三島文学の謎、「輪廻転生」に迫った野心作、待望の新版!
目次
第1章 三島由紀夫と二・二六事件
第2章 戦後天皇制に挑戦した三島由紀夫
第3章 蘇る三島由紀夫
第4章 帰らざる河
第5章 そして「豊饒の海」へ
第6章 残された建白書
特別寄稿 三島由紀夫先生の遺書(元楯の会班長 本多清)
著者等紹介
小室直樹[コムロナオキ]
昭和7年、東京都生まれ、会津若松市で育つ。京都大学理学部数学科卒業。東京大学大学院法学政治学研究科修了。ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学に留学。法学博士。平成22年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
貴
14
日本人はアメリカのために単に楯になっている。自衛隊はアメリカの傭兵ではないか。魂のない奴らがいくら武器をもってもしょうがない。国や民族のためには、いさぎよく命を捨てる、戦って死ぬか、自刃するしか人間は美しく死ねことができない。三島由紀夫さんの考え方が、ほんの少しだけ理解できたように思いました。2023/07/14
Tenouji
13
三島由紀夫の事件について知ることができた。著者の三島由紀夫の仏教理解の説明と、三島由紀夫自身の自衛隊の説明が、読みごたえがあった。2023/08/27
かずりん
10
タイトルからして、昭和45年11月自衛隊市ヶ谷駐屯地に楯の会を称する三島由紀夫らが乱入し割腹自刃するシーンが想起され苦しくなる。三島の作品に接している間を除いてこの場面が脳裏に浮かんでしまう。通常小説の出来事はそこで終わるのだか、それを実際に行ってしまった。あまりにも純粋過ぎた。輪廻転生を主たるテーマとする「豊饒の海」四部作との関連が事細かに綴られ圧巻である。最も難解と言われる豊饒の海、通読では理解しきれなかった部分が少しずつ明らかになっていく。霊魂を信じたからこそなのか否か、謎は益々深まり衝撃の一冊です2023/10/10
しんさん
8
226事件と唯識とボディビルと自決。「豊穣の海」のテーマは、阿頼耶識をつうじての意思実現の課程。少しわかった(ほとんどはわからない)。2023/07/17
をよよ
4
私は知識人でもないし、長生きして苦しまずに逝きたい派なのでこんなことを言うのはおこがましいし、軽薄だってのもわかるんですが……それでも、『現在の平和は無条件で享受できているものではない』っていう理屈までわからないワケでもないんですよね……。だから三島さんがどうして自衛隊に憤っていたのかというところも理屈としてわかる気はします。人命尊重も平和な世界も理想ではあるけど、『日本とは“違う”他国の存在』を、もう少し現実的に考えておく必要はあるのかもしれない。理想は理想として掲げたままでも。2023/10/07