内容説明
薩長史観vs.津田史学。時代と格闘してきた著者が読み解く幕末維新とは!?著者畢生の論稿六篇を収録!
目次
はじめに―明治維新史の取り扱いについて
第1章 明治の新政府における旧幕臣の去就
第2章 幕末における政府とそれに対する反動勢力
第3章 維新前後における道徳生活の問題
第4章 トクガワ将軍の「大政奉還」
第5章 維新政府の宣伝政策
第6章 明治憲法の成立まで
おわりに―サイゴウ・タカモリ
著者等紹介
津田左右吉[ツダソウキチ]
明治23年、早稲田大学に編入学し翌年卒業、旧制中学校の教員を務めるかたわら東洋史学の泰斗・白鳥庫吉の指導を受け「歴史は本職」との思いに至る。その後、文献批判による科学的な歴史研究に挑み、その成果として数々の著作を世に送り出し、大正9年、早稲田大学教授に就いた。昭和14年には東京帝国大学の講師も兼任するが、いわゆる津田事件により学究活動の中断を余儀なくされる。戦後、早稲田大学総長に選出されるも固辞、ふたたび研究に没頭し、昭和36年、逝去、享年88。その学績は「津田史観」といわれ日本の歴史学の本流となり、今日に至るまで息吹いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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記憶喪失した男
12
歴史には秘密があり、明治維新ひとつをとっても、その本質は隠され、歴史家は真相にたどりついても公開することが許されない。津田左右吉は「古事記・日本書記の研究」で神武天皇ら最初の八代が存在しなかったと主張したことで有名な歴史家らしい。津田左右吉の「明治維新の研究」は、一次資料に当たっている歴史家の記述だという価値はあるものの、おれが解釈している明治維新とは解釈が異なるようだという感想だ。読むのに非常に時間がかかってしまい、読みづらい本であった。2022/07/26
アバチャン
0
薩長から見た、勝てば官軍的な歴史観とは対極にある分析に感服。敗戦に至る契機が作られたのは明治維新かもしれない。2022/04/03
荏苒 byn
0
津田史観、奥が深い碩学である。興味深いがなかなか読み切れない。「日本における儒教道徳は・・(日本の)生活の姿でなく・・異民族の間に発生した異国民の思想P 91 」「倒幕の主張者は南朝の思想的復活を妄想する者に他ならず、歴史の展開を全く理解しない者106 」「明治の華族 には5爵が設けられ薩長人を主として ・・成り上がりものが権力を得たのでその地位を確保する・・貴族院は編成が勅令で定められ法律の定めになっていない・・ 法律で定められると衆議院が関与するからそれを防いだのだろう263」browsed2022/03/11
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