内容説明
元大本営参謀。僧侶、医者、教授、華僑に化けてアジアに潜伏した男の決死の逃亡記!
目次
1 人と人
2 死関を突破す
3 わき返る安南
4 おごる重慶
5 還都後の南京
6 旅窓に映る中国の世相
7 一握りの土
我等は何故敗けたか
著者等紹介
辻政信[ツジマサノブ]
明治35年石川県生まれ。昭和6年陸軍大学校卒業後、大本営参謀となる。ノモンハン事件、マレー作戦、ビルマ作戦などを指揮、「作戦の神様」とうたわれた。敗戦直後、連合軍支配下のタイを脱出し、日中連携を企図して数年間、東南アジアや中国大陸を潜行。その後、奇跡的帰国を果たし、昭和27年から連続4回衆議院議員に当選したが、昭和36年参議院議員として再び東南アジアに向かうとラオス付近で行方不明になった。生存説、他殺説など議論を呼んだが確たる消息を得ないまま現在に至っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
R
43
戦後、潜伏していた頃を綴ったもので、読み物として非常に面白かった。二次大戦後の日本軍人がどういう目にあうのか、またそれを潜り抜けていく、戦後も続いていた闘争の実地が描かれているようで読み応えがあった。坊主、医者、教師と変装擬態して潜り抜けていく姿、苦難の連続と、先々で出会う様々な軍人たちとのふれあいも興味深く読めた。特に当時の中国、共産党と国民党との戦いの実情が垣間見える部分も数多く、国民党の腐敗極まれる部分の描写が生々しく、実録として大変面白い読み物でした。2020/06/23
金吾
39
毀誉褒貶が多い著者ですが、読み物としては面白いので才能はあったのだろうと思います。しかし内容から推察するに自己顕示欲と自己肯定の固まりであり、人間としてはやはり好きになれないタイプだとも思いました。2023/01/11
ジャズクラ本
18
◎読了後、呆然としてしまった。辻政信といえば鬼畜悪漢の権化とされているが、ここに書かれているのは至極真っ当、当時の中国情勢の分析も的確かつ慈悲に溢れた熱血漢という印象。これがあの辻の文章かと疑いたくなったが、考えてみればだからこそ行き過ぎた言動があったにも関わらず軍から重宝され、一部から作戦の神様などと賞賛されたのだろう。恐らく辻は真のサイコパスであり、思いが高じると他者に対して見境のない行動を取ってしまう性癖をもっていたのではないか。現代、至るところで見られるパワハラによる悲劇も同根のものに思える。2020/10/04
速読おやじ
15
辻参謀は歴史的評価が分かれるらしい。ノモンハン事件での命令違反や、バターン死の行進に関与していたなどと批判され、戦犯を逃れるために本書のように海外で潜伏していたという。でも、本書を読む限り、辻の正義感や使命感は本物だと思う。ただ逃げ回るために、そこまではしない筈。中国の戦後のゴタゴタ、国民党の腐敗ぶりもよく分かる。歴史を一人の人物を通して、なぞってみるという読書もまた面白い。2019/10/12
mashumaro
14
現職の国会議員の著者はラオスの視察先で行方不明になり、死亡宣告を受けたという謎多い人物。終戦後、軍を離れ逃亡したのは戦犯としての罪を免れるためという見方も多いが、本書を読む限り、潜行先での過酷な生活は大義なくしては説明がつかないようにも思える。敗戦国となった国民の辛酸を思えば、何をどう取り繕えども軍部の怠惰の罪は許されないが、辻政信は少なくとも義はあったということなのかな。中国という国の、日本人とは相容れない国民性を見るに、近くて遠い国だとつくづく思う。2021/10/17
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