内容説明
「する」「観る」「教える」をアップデート!勝利至上主義、迷走する体育・部活、コロナ下の五輪強行、暑すぎる夏、甲子園の歪さ、ハラスメント、応援の過熱、アスリート・アクティビズム、テクノロジーの浸透…それでも、もう一度全身で、スポーツを楽しみたい!そう願うすべての人へ。元アスリートとして、声を上げつづけてきた著者の到達点。
目次
序章 アスリートのことば―なぜ、あのとき嘘をついたのか
第1章 スポーツ3.0
第2章 東京五輪はスポーツになにをもたらしたのか
第3章 「するスポーツ」と運動
第4章 勝利至上主義への処方
第5章 応援とテクノロジー
終章 元アスリートのことば―テクノロジーとの融合を
著者等紹介
平尾剛[ヒラオツヨシ]
1975年大阪府出身。神戸親和大学教育学部スポーツ教育学科教授。同志社大学、三菱自動車工業京都、神戸製鋼コベルコスティーラーズに所属し、1999年第4回ラグビーW杯日本代表に選出。2007年に現役を引退。度重なる怪我がきっかけとなって研究をはじめる。専門はスポーツ教育学、身体論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
25
著者は元ラグビーW杯日本代表。現状の日本スポーツ界を、「根性論」の支配する「スポーツ1.0」、「科学論」を重視する「スポーツ2.0」から、そのどちらにも囚われない「スポーツ3.0」を主張する。話題が、スポーツ・ハラスメント、東京オリンピック、秩父宮ラグビー場等多岐に広がる故か「3.0」なるもの実態がいまいち理解できず消化不良気味。「パラアスリートによる超人的なパフォーマンスは障害者に精神的なプレッシャー」等、ハッとする指摘もあり次作に期待したいところです。2024/01/16
むた
11
第3章『「するスポーツ」と運動』、第4章『勝利至上主義への処方』がとても参考になった。それそれ!と思ったのは、日本にサッカー文化が根づかないのは「めっちゃ楽しそうにサッカーをする、死ぬほどサッカーが下手なおっさん」がいないから、という話。何歳だろうが体を動かして競い合う、できなかったことができるようになる、ということがスポーツの魅力のメインであるはず。いうなれば「からだの拡張」。為末大さんや伊藤亜紗さんの既読本からの引用がちょこちょこありうれしかった。2023/11/04
takao
2
ふむ2024/01/28
Masaki Sato
1
スポーツ1.0が根性論の妄信、2.0が科学への盲従、3.0が根性論と科学の融合であるという枠組み。コロナ禍での東京五輪でのアスリートファーストの欺瞞、するスポーツで勝利至上主義的な文化への警鐘を鳴らす。スポーツを自分の身体で出来るようになることを増やしていく、いわば身体性の拡張の喜びととらえ、サイエンスの力をそれを増幅させるためにうまく付き合っていこうというもの。スポーツ観においては首肯できる部分が多かった。2024/01/02
fs_htnk
1
スポーツの商業主義についての言及に関してはさて置くとして、「他者の目」理論には納得感があった。自分の子どもにはそんな環境を提供したいなと思うに留まらず、自分自身も無邪気に「するスポーツ」を楽しんでみようと思う。2023/12/20