内容説明
三流=多流(いろいろなことができる人)。一つに決めない、目標を持たない、天才ではない、ほとんどガマンしない、評価されない…こうした「ない」が、これからは尊ばれる!古典の知恵と鋭い洞察が導く、今を生きるヒント。ポストコロナ期の処世術にして希望の書。
目次
序章 三流のすすめ
第1章 これぞ三流!
第2章 螺旋的に生きる
第3章 『鶉衣』に学ぶ三流
第4章 三流の聖典『論語』
第5章 『中庸』は三流の実践書
第6章 『人物志』―才能や資質の見分け方
第7章 道徳・法・術―『人物志』が説く三材
第8章 「国の身体」となりうる三流人
第9章 三流的生き方・実践編
著者等紹介
安田登[ヤスダノボル]
1956年千葉県銚子市生まれ。能楽師のワキ方として活躍するかたわら、甲骨文字、シュメール語、論語、聖書、短歌、俳句等々、古今東西の「身体知」を駆使し、さまざまな活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ムーミン
38
子どもをとらえ、認めたり励ましたりする際の大きな視点をいただきました。安田氏に関して言えば、本人としては中途半端と捉えていることも、一般の人たちから見たら、それぞれが一流の域にあると思えてしまうんだろうなと思いました。2022/01/08
kum
33
ゆるゆる脱力系の本かと思ったらそんな感じでもなかった。古典を紐解きながら人間の生き方を考察する内容はさらっとは読めない難しさもあったが、それでも著者が言いたいことの本質は「自分が三流であることを認めましょう」ということ。そうすることによって周囲からの期待やプレッシャーを手放し、思うままにのびのびと生きることができる。「ほめられようとしない」「そしられても気にしない」言うほど簡単ではないけど、これって大事だなとあらためて思った。2021/10/10
Y2K☮
30
三流とは実力不足ではなく色々なことをする人(一流は一つのことの専門家)。一つにこだわらないから柔軟に小回りが利き、好奇心に従って行動できる。一直線に究めんとするのではなく、あちこちへ寄り道しながら蚊取り線香みたいに円を描く。目標は持たずいまを楽しみ、評価など気にしない。ずっと小説家になりたいと思って生きてきたつもりが、辿って来た道を振り返ると明らかに三流のそれだった。内心で失敗や挫折と感じていた諸々こそ、いまへ繋がる正解だと感じる。本&プロレスという最低限の軸を持ったうえであとは己の価値観と直観に従おう。2024/01/28
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23
飽きっぽい/ものにならない/役に立たない/評価をされない、求めない/短絡的/究めない…ないない尽くし、でも楽しい。その生き方は「三流」です!(←最高の誉め言葉)だから、一流の人に「降りて来いよド三流」とか言われても、喜んで逃げよう▼個人的には、「三流」に当てはまるかと思いつつ、残念ながら?自我は希薄でないかも。自我を捨てようとするのも自我だし、真の没入へはまだまだ遠い。2022/06/16
アオイトリ
23
読メのレビューより)安田登、初読。ものすごくエネルギッシュで異能のひと。好奇心旺盛で、まずはやってみる瞬発力と集中力は無敵。怖いもの知らずな感じが、坂口恭平を連想してしまう。一筋を極める人生は理解されやすいけど、好きなことを寄り道しながら(=循環)だんだん深めていく人生もアリだよ。ということでしょうか。いいかも〜とちょっぴり手を出してはみるものの、ものになる前に霧散霧消してしまい、かじったことの残り香が微かにする程度だな、自分は。それでも、小さい我が身が愛おしい。2022/05/26