内容説明
今、必要なのは、情報でも評価でも判断でもなく、期待せずに、平気で待つ勇気。『ボクは坊さん。』から10年―『理趣経』をひもときながら綴る、進化するポップな坊さんの現在地。
目次
1 坊さんと、娘たち(「見清浄の句」ノ巻;「皆自在を得」ノ巻 ほか)
2 坊さん、何もしない(「日々に読誦し作意し思惟せば」ノ巻;「清浄の句」ノ巻 ほか)
3 坊さんは光る(「難調を調伏する釈迦牟尼如来」ノ巻;「世間一切の垢は清浄なるが故に」ノ巻 ほか)
4 坊さんにできること(「一切如来の三摩地を証す」ノ巻;「諸法は光明なり」ノ巻 ほか)
5 坊さん、今を生きる(「忿怒は金剛性なり」ノ巻;「一切の事業性の故に、般若波羅蜜多は事業性なり」ノ巻 ほか)
著者等紹介
白川密成[シラカワミッセイ]
1977年愛媛県生まれ。栄福寺住職。高校を卒業後、高野山大学密教学科に入学。大学卒業後、地元の書店で社員として働くが、2001年、先端住職の遷化をうけて、24歳で四国八十八ヶ所霊場第五十七番札所、栄福寺の住職に就任する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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けんとまん1007
50
ボーっとする時間は、とても良いと思う。そんな時間を持てないことが多いよなあ~。気づいたらボーっとではなくて・・だろう。ボーっとするのは、時間を置く、距離を置く、目線を変えることかな。2021/09/27
assam2005
18
仏教の教えについてよりも、作者の娘さんの達観した考えや、作者が自分の娘に対してどのような考えを持って接しているかに惹かれました。「人生とは何?」と問う父に「人生とは思い」と答える小2の娘さん。人の死に接する機会が多いから達観するのだろうか。また、年とともに「自説をくつがえされないように準備する」人の多いことか。「自説をくつがえされる準備をする」人の姿は見ていて清々しい。他人の意見を取り込んで、自説の不備を正し、改良していく。素直に謝り、素直に学ぶ。そういえば吉村府知事がそんな感じだったかな。2020/06/02
青木 蓮友
12
わたしも同じく真言宗で授戒していますので、僭越ながらとてつもなく密成さんと同じ気持ちです。密教の身震いするほどの格好良さ、なんかデッカイ背中と眼差し温もり。ホントもっとみんな知るといいのに、そうですね、お坊さんならばよっぽども伝えたいですよね。わたしも師匠に自分なりに伝えろよと言われています。理趣経の百字偈がどんなに凄いのか。何度も何度も教わっていますが、頭ではわかったつもりでも、今のところまだまだまだ。面白く刺激的な勉強は続きます。密成さん、ツイッターもフォローしていますよ。とってもよき読書時間でした。2020/06/25
ぽけっとももんが
8
弘法大師のお言葉「起きるを生と名づけ、帰るを死と称する」。それにミッセイさんは「見たこともない道を通って帰る」と言葉を足す。わたしたちは今、見たこともない道を通っているのだ。人生を道に例えるのはありがちだけれども、なるほど帰り道とはいえ見たこともない道、見たこともない景色。ゆっくりよく見て行こう。もう一度この道を引き返すことはないのだから。2020/06/12
peace land
6
違う道を帰っている、というのと、自分が死んだ後の世界のイメージが同じだったので、心が静まりました。仏教の話は難しかったです。昨年高野山に行き、お坊さんにたくさん会ったことを思い出しました。2020/07/17