目次
かめ
くるま
まんざいぼんち
けいはんばす
こーひーしゃちょうすごいじょうず
きんじよ
けいせい
2CV
ほん
SKY MARK〔ほか〕
著者等紹介
いしいしんじ[イシイシンジ]
1966年大阪生まれ。作家。京都のミシマ社の「きんじよ」に在住。お酒好き。魚好き。蓄音機好き。2012年『ある一日』で織田作之助賞、2016年『悪声』で第四回河合隼雄物語賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユメ
36
「近所」という概念が根底から覆される、朝日を浴びて目覚めたような気分になれるエッセイ。私にとって「近所」というのは物理的な空間だった。でも、いしいさんの息子ひとひくんの「きんじよ」はもっと精神的な空間だ。ミシマ社、誠光社、ホホホ座といった名店の数々も、彼にとっては単に家から距離の近い場所ではなく「外」でありながら「内」である空間。自分の部屋にいるかのごとく胸襟を開いてそこに佇む人と関係を結び、自分の世界の一部としてしまう。ひとひくんの「きんじよ」を想像、創造するみずみずしいエネルギーにひたすら驚かされた。2018/10/25
Kei
34
すごく子供らしくて、すごく子供らしくなくて。(笑)当たり前の日常、近所でありながら、とてもスノッブな育児日記。2018/07/14
そうたそ
25
★★★☆☆ そのタイトルの通り、著者の「きんじょ」での生活の日々を綴るエッセイ。京都出身のため、本書で描かれている場所の数々が目に浮かび何とも懐かしい気分。変な言い方かもしれないが、「あー、"生活”しているなあ」と思えるような著者やひとひくんらの日常がどこか羨ましくもある。内容ももちろんだが、なんてことない日常も著者にかかればこんなに素晴らしい文章になる。ちょっとマイナーな出版社のため目につきにくい一作かもしれないが、目にしたら手にとって見てほしい一冊。2018/09/20
ノクターン
21
手売りブックス。初のミシマ社でしたが暖かみがあってよいなぁ。いしいしんじのエッセイ面白いよ、と喫茶店のお客さんに言われてずっと気になっていたので。息子のひとひ君中心のエッセイで、息子の感性の豊かさに驚くけど、きっと父しんじの『繰り返し、深掘る』の性格がすごく子供に影響与えている気がする。同じ店に足繁く通ったり、同じ道を走ったり、同じ旅先に行ったり。そうか。本も2周目3周目の方が気づくこと多いもんね。2019/09/26
田氏
17
いしいひとひ君。いしいしんじのご子息である。生きることの天才たるしんじ氏の血を分けられただけあって、誕生日にはケーキより和菓子を所望し、いちばん好きなものは「やまがたの、たまこんにゃくと、おふ」という変態児として健やかに育っている。若干4~6歳にして京都のカルチャー界隈にどっぷり浸かり、アノマロカリスやドバトを愛し、持久走では大人もへばる距離を走りぬき、ストライダーを卒業するなりBMXを乗り回す。そんな、「育つ」ことのプロフェッショナルになる英才教育みたいな生活を送る、いしい親子の「きんじよ」のおはなし。2018/10/21