内容説明
「50で人格崩壊、60で死ぬ」。医者から宣告を受けて20年―なぜ、オレだけが脱け出せたのか?「その後」に待ち受けていた世界はいかに??300万のアル中予備軍たちと、何かに依存しているすべての人へ。壮絶!なのに抱腹絶倒。
目次
一日目 アル中に理由なし
二日目 オレはアル中じゃない
三日目 そして金と人が去った
四日目 酒と創作
五日目 「五〇で人格崩壊、六〇で死ぬ」
六日目 飲まない生活
七日目 アル中予備軍たちへ
八日目 アルコール依存症に代わる新たな脅威
著者等紹介
小田嶋隆[オダジマタカシ]
1956年東京赤羽生まれ。幼稚園中退。早稲田大学卒業。一年足らずの食品メーカー営業マンを経て、テクニカルライターの草分けとなる。国内では稀有となったコラムニストの一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
130
二十代から三十代にかけてアル中だったと告白する著者が自分がアル仲であったこと、脱アル中だったこと、脱アル中への道がどんなものがあったかに書いている。読んでいて感じたのは著者の体験がたくさん書かれているのだけれどなんだか読みにくい。アル中という他人からはその心のうちがわかりにくいせいなのかもしれない。様々な問題を起こしてからアル中はやっぱりなという社会の風潮がある一方で普通に飲んでいるアル中もたくさんいる訳だし。告白だからそれでもいいのかも。2018/05/06
ゆいまある
108
追悼。キレッキレの文章が心地いい。自身の依存症についても歯に衣着せない攻撃的な口調のままである。最初に診断を下した赤羽の田中先生。昔時々患者さんを紹介して貰ったのだが、当時は好きじゃなかった。私も未熟だったし。こうして読むと小田嶋さんには命の恩人だった。60で死ぬという予言通り、60代で亡くなった。死因は明らかにされていない。生き切った。むしろ長生きできたと思う。酒を辞めると4つあった部屋の残る2部屋で暮らしているようだと言う。寿命は延びたが虚しさは抱えたままだった。酒とともに楽しみも失ったようだ。 2022/07/22
ネギっ子gen
82
題名がお洒落!「いまも私は“断酒中のアルコール依存者”。この状態は、坂道でボールが止まっているみたいなもの。多くの患者は、再び転げ落ちることになる。ほぼ、全員と言っていい。にもかかわらず、私はなぜ、何とか踏みとどまっていられるのか?」について考えた本。「嫌なことあって酒飲むとすっかり忘れられるかというと、そんなことはありません。当たり前の話。むしろ、飲み過ぎちゃったってことが逆に酒を飲む理由になる。お酒がない入っていないと、正常な思考ができない、シラフだとイライラしてあらゆることが手につかなくなる、⇒ 2019/10/26
gtn
77
太宰の「人間失格」主人公をクズ扱いしたり、赤塚不二夫の三十代以降の作品には碌なものがないと断じたり、アル中のステータスを否定しようとする著者。酒が事を成し遂げるのではなく、酒がないと何もできない病気に罹っているだけだとの著者の言葉は、実体験に基づくだけに真実だろう。酔いどれ著名人に憧れを抱いたり、酒に過剰な期待をすることはもう止そうと、水割りを手に本書を読みながら思った。2020/04/04
Tsuyoshi
71
元アルコール依存症だった著者による独白。著者曰く、アルコール依存は酒を習慣化してしまった事で出てきた弊害への対処として陥ってしまうものらしく、体質による所もあるとの事。また一生治るものでもないらしくあくまで「断酒中」の意識を持っていないといけないらしい。酒は弱く、飲む習慣がないのだが、飲酒は逃避以外の何ものでもない事が著者自身も述べられていて、再認識できたことは収穫だった。2018/04/05