内容説明
マンモスをはじめとする絶滅種の遺伝子操作による再生は人間と自然との関係について深い疑問を投げかける。環境を破壊し、多様な動物や植物を絶滅に追いやってきた人間は、いま、その再生と種の創出に踏み出そうとしている。それは単に種の問題にとどまらず、ツンドラの崩壊をはじめ大きな環境問題にも通じる。人類はどこまで地球の自然と生き物の運命に手を染めてよいのか。最先端の科学者たちによる研究の実態を追い、私たちに重要な問いを提起する科学ノンフィクション。
目次
まったく新しい世界
シベリア北東部の夏
誰がマンモスを作りたがってるの?
ゾンビたちの春が来る
翼のある嵐
ブカルドが蘇るはずだったのに
冷凍庫からやって来たサイ
「実際、ことはそう単純ではない」
神の道具箱
成長する死者
アヒルのような外見をしてアヒルのように鳴くのであれば…それは本当にオーロックス?
野生化するヨーロッパ
「ほとんどの人は正気の沙汰ではないと言うだろう」
ニワトリの中の恐竜
ユートピアとディストピアは紙一重
溶ける巨人
生命は一つの道を見出すだろう
著者等紹介
コーンフェルト,トーリル[コーンフェルト,トーリル] [Kornfeldt,Torill]
生物学をバックグラウンドに持つスウェーデンの科学ジャーナリスト。バイオテクノロジーの急速な発展が、私たちの世界にどのような変化をもたらすかということに、強い関心を抱いている。『マンモスの帰還と蘇る絶滅動物たち―人類は遺伝子操作で自然を支配できるのか』が、彼女のデビュー作
中村桂子[ナカムラケイコ]
JT生命誌研究館名誉館長。東京大学理学部化学科卒業。東京大学大学院生物化学専攻博士課程修了(理学博士)。三菱化成生命科学研究所人間自然研究部長、早稲田大学人間科学部教授、東京大学先端科学センター客員教授、大阪大学連携大学院教授などを歴任後、生きることを考え、表現する場である「生命誌研究館」を1993年に創立。副館長、館長を務め、2020年4月より現職
中村友子[ナカムラトモコ]
スウェーデン語講師及び翻訳者。ストックホルム大学文学科留学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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志村真幸
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