内容説明
ソラリスの雨はなぜ部屋に降るのか?ソ連の詩的映像作家アンドレイ・タルコフスキーの全作品解読。
目次
はじめに 永劫たる瞬間
第1章 物語の深淵―隠された意図(パステルナークの予言;光と水の寓話―『ローラーとバイオリン』 ほか)
第2章 家族の投影―芸術的ポートレイトの深層(追慕―『ローラーとバイオリン』;憤怒―『僕の村は戦場だった』 ほか)
第3章 モチーフの躍動―物語を紡ぐ事物(自然と動物;身体と行為 ほか)
第4章 核時代への視線―内包された予言(この時代に携えるもの;陸前高田の一本松とタルコフスキー ほか)
著者等紹介
忍澤勉[オシザワツトム]
1956年東京生まれ。編集プロダクション、広告制作会社、出版社勤務を経て、著述業。日本SF作家クラブ会員。「『惑星ソラリス』理解のために―『ソラリス』はどう伝わったのか」が第7回日本SF評論賞の選考委員特別賞を受賞。大幅に加筆の上「『惑星ソラリス』理解のために1―レムの失われた神学」、「『惑星ソラリス』理解のために2―タルコフスキーの聖家族」として『SFマガジン』(早川書房)2012年6~8月号に掲載。「ものみな憩える」で第2回創元SF短編賞の堀晃賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
27
Amazonで無料配信中のタルコフスキー監督映画「ノスタルジア」1983を見つつ、副読本として読んだ本。今まで映画館で何度も見ているのに、1度も通して見れたことがなく、いつも最初と最後のシーンだけ見てあとは寝ていたという映画。やっと今回は眠らずに見れた。やっとストーリーが理解できた。この本のおかげか、自分の年齢が上がったためか…。ところで、アクシデントなのか配信の字幕が出ていなかった。イタリア語のセリフがわからないままの方が映像に集中できたのもよかったかも。2023/07/26
塩崎ツトム
20
タルコフスキーの創作の「芯」となる哲学を、全作品(といっても8作だけだが)から分析。父との和解。聖愚者。帰る場所、帰れない場所への郷愁。信仰。ロシア人らしさ?フィクションの――映画の中でしか、ヒトは救済されないのか?2024/09/26