内容説明
明治以来、日本はアジアの近隣諸国に多大な加害を及ぼしながら、戦後、その責任の取り方が極めて不十分であった。そのため“和解”が未だできずにいる。特に安倍政権は過去を正当化し、米国の軍事力への依存を強め、近隣諸国との“対立”を激化させている。今、日本はどのような道を進むべきなのか。広島で被爆し、十五年戦争を肌で知る最後の世代からの全身全霊のメッセージ。世代を超えて読み継がれるべき本。
目次
1(改訂版 私の昭和二〇年八月一五日とその前後;皇国史観とそれに関連するいくつかのこと;うた草稿―戦争を想起して八五歳頃詠んだ八首;二〇一八年に送付した手紙1;二〇一八年に送付した手紙2)
2(講演 岐路に立つ日本―日本会議の主張する道を進むか、それと対極的な道を進むか?;「日中の和解を庶民の立場から考える会」での発言から)
3(戦中派・戦後派の多くの皆さんへ;第二次大戦後の加害責任の取り方における日・独の違い;日本が殺害した人々の追悼施設を作ろう;沖縄の人々のことをわが身のこととして考えよう)
4(『改訂版 かえりみる日本近代史とその負の遺産』について;日本は核兵器の廃絶さらに世界平和の実現を目指そう)
著者等紹介
玖村敦彦[クムラアツヒコ]
1926年(大正15年)山口県生まれ。現在、93歳。少・青年期を広島市で過ごす。1945年(昭和20年)8月、旧制広島高等学校2年の時、原爆を体験する。同校卒業後、東京大学農学部農学科に進学し、卒業後は農学科農学第二講座(作物学研究室)に残り、光合成を中心として作物の生理・生態を研究するほか、耕地の炭素循環を生態系生態学の視点から解析。定年後、東京大学名誉教授。1986~95年、国士舘大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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