感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
32
フランスの生物学者と料理人が、食と健康について対談形式で語った一冊。遺伝子組み換え(GM)作物、農薬、化学肥料、食品添加物あたりの問題が、企業や組織のロビー活動などの政治面を中心に語られる。多くの類似図書でも問題になっている、除草剤「ラウンドアップ」問題が多めに解説されている。日本では2021年発売だが、本国フランスで刊行されたのは2014年ということで情報が若干古いようだ(現在は本書で問題視されていたGM作物の規制は世界的に進んでいる)。2022/01/04
ヨハネス
4
大筋では、求めていた内容だった。いつの時代も利害が対立する側が安全性を評価するからおかしなことになる。が、たまに「腫瘍ができたと書いただけでガンができたとは言っていない」など、こじつけに近い書き方の部分は気になった。遺伝子組み換え作物は試験管内で操作したものであり、交配によるものは含まれないとは知らず、恥ずかしい。終盤、大量生産の野菜が安いのは税金を使っているからだというのは期待以上にショックなことだった。2021/11/14
晴柊のばあば
1
GMO(遺伝子組換作物)は除草剤を撒いても枯れない。その成分を細胞内に取り込んでいる。大規模農業では、除草剤によってその作物以外の雑草を枯らせれば都合がいい。それが飼料として家畜に与えられ、肉は食卓に上る。合成化学物質は炭素循環しないから、人の身体に取り込まれても排出されない。殺虫剤とGMOを作っているのは同じ化学会社で、科学者や政治とも繋がっている。世の中は危険な食べ物で溢れている。2022/02/03
ひろ
0
評価★ フランス人生物学者と料理人が食の安全について対話する形式で書かれているが、ひたすら大企業批判、政府や国連批判、現代の料理界や環境破壊についての全方位的な批判ばかりで読んでいて憂鬱になる。学者(著者?)の主張する内容は確かにエビデンスがあり一般的に知られた農薬や石油製品に関する批判なので嘘ではないが、料理人の方は何ら根拠がない思い込みか感情論がほとんど。最悪なのはタイトルにある「安全な食事」が何なのか全く語らず、現状では何を食べても害しかなく人類オワタと結論づけていること。フランス人らしいニヒリズム2022/10/19