内容説明
『阿仏の文』は、鎌倉時代中期、安嘉門院邦子内親王に仕える女房であった阿仏尼が、自らの女房経験をふまえて、すでに宮廷女房となっているわが娘に宛てて、女房として持つべき態度・心構えをはじめ、さまざまな事項について懇切に書き記したものであり、中古・中世に活躍した宮廷女房たちの意識を知る上で、他に類をみない貴重な資料である。
目次
『阿仏の文』注釈(序文;心と言動の抑制―最も重要なこと;人との距離の取り方―知人・侍女達に対して ほか)
影印・翻刻・校異
『阿仏の文』解説(はじめに;『阿仏の文』の概略・書名・伝本;阿仏尼の生涯と『阿仏の文』;『阿仏の文』の宛先である阿仏尼の娘;『阿仏の文』が語る女房の生活・意識;『阿仏の文』が顕在化させるもの;教訓書・女訓書の流れと思想)
『阿仏の文』の諸本―広本を中心に
著者等紹介
田渕句美子[タブチクミコ]
1957年生まれ。早稲田大学教育・総合科学学術院教授
米田有里[コメダユリ]
1988年生まれ。日本学術振興会特別研究員(PD)
幾浦裕之[イクウラヒロユキ]
1990年生まれ。国文学研究資料館古典籍共同研究事業センター特任助教
齊藤瑠花[サイトウルカ]
1992年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士後期課程(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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