感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みさと
5
トランスの女性(男性→女性となった女性)が直面するバッシングを通してミソジニーとセクシズムを炙り出す。男性性の方が女性性よりも優れていると見なす世の中にあって、男に生まれて男性特権を享受する立場でありながら女であることを「選んだ」トランスの女性は価値観を揺さぶる脅威となる。またシスであることを「自然」とみなす人にとっても。生得的性とアイデンティティとする性が異なることは病気でも何でもないのだ。トランスの女性をバッシングし続ける社会、メディア、アカデミズム、医療体制、えせフェミニズムを徹底追求した怒濤の書。2023/06/05
takao
2
ふむ2023/12/26
圓子
0
反省のきもちがどんどん湧き上がる第二部。A属性であるがゆえにA属性の経験や体験を客観的に理解できないAという存在。A対Bの二元的対立ではなくて、あくまでも個人の経験と人生にのしかかる問題である。様々な差別の原点であり、この視点から「インターセクショナル」を考えられそう。当事者の声を文脈を無視して切り出すと、いとも簡単に差別者たちの差別の「根拠」になってしまう。2024/02/16
いつき
0
あえてカテゴライズするならノンバイナリーなのかな、という自分にとっては、「これはトランス女性の本だな」というのが一番の感想。まあその通りなんだけど。最終章の内容は現在でも有益な重要な指摘が多かった。2024/01/09
圓子
0
タイトルと表紙ですぐに思いうかんだ、自ら命を絶ったあの人。わたしと同じ誕生日だったあの人。パズルのピースを手に入れた衝撃。【第一部】そのこと、わたし、考えたことなかったな…が満ちている。それこそがシス特権なのだろう。著者のいうことの多くは、腑に落ちるよりもまずはショックが先。わかるけどわからないショック。情報として理解するけど自分の血肉になった気がしないショック。色々わかった気になって本当は全然見えていなかったショック。2023/11/23
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