出版社内容情報
「事業承継フレームワーク」を活用すれば、お客様の様々な要請に応えられる事業承継支援に必要なノウハウを身につけることができる。事業承継支援は「問題を見つけること」がすべて。「事業承継フレームワーク」を活用すれば、お客様の問題を見つけ様々な要請に応えられる、事業承継支援の専門家として必要なノウハウを身につけることができる!!
事業承継支援の正しい取組みは、お客様が抱える問題を正しく見つけることです。問題を正しく定義することができれば、事業承継問題の半分以上は解決できたようなものです。
これまでの事業承継支援の取組みが、期待されるほどの成果を生み出さなかった理由は、支援者側の目線で支援していたことにあります。すなわち、お客様側の目線で支援が行われていなかったということです。生命保険契約を売りたい生命保険セールスマン、融資や投資信託を売りたい銀行員、資産税サービスを売りたい税理士、いずれも支援者側の商品・サービスを販売することを目的とし、取り扱う分野に関連した支援を提案し、実行してきました。「事業承継」をタイトルとする専門書も、ほとんどがこのような目線で書かれています。
しかし、お客様側に立ってみますと、本当に解決すべき問題が他にあったということがあります。事業戦略の見直しが求められるお客様に、遺産分割問題が重要だからと生命保険を契約させられるケース、節税策が必要のないお客様に、融資による株式の買取りスキームが提案されるケースなど、お客様が抱える問題の本質は無視し、支援者側の商品・サービスに係る問題点だけしか見ていないケースが多く見られます。これでは事業承継の問題を解決したと言うことはできません。
それでも、何が正しいのかわからないお客様は、それで満足してしまっているのです。結果的に本質的な問題が解決せず、後から問題が顕在化し、トラブルが発生するケースが多く見られます。それゆえ、あるべき支援者の姿は、お客様が抱える問題を、正確かつ網羅的に把握しようとすることです。問題を漏れなく発見することが最大の支援策となります。
しかし、事業承継の問題の範囲はとても広く、その専門家と称される人たちであっても、それらを網羅的に把握することは著しく困難でしょう。
そこで、本書は、事業承継の問題の有無を確認すべき領域を「フレームワーク」として整理し、全体像を明らかにすることとしました。本書の「フレームワーク」を参照しながら、支援すべき領域に漏れがないか、その都度、確認していただきたいのです。どのようなケースでも、見落としてる領域が必ずあるはずです。漏れなく問題点を見つけること、それに注力していただきたいのです。
事業承継の支援者が、本書の「フレームワーク」を活用することによって、より多くの事業承継問題を解決されるようになることを祈ります。
はじめに
第1章 解決すべき課題
? 事業承継フレームワーク
? 親族内承継における課題
【A-1】親族内承継の事業戦略に関する課題
【A-2】親族内承継の知的資産に関する課題
【A-3】親族内承継の支配権移転に関する課題
【A-4】親族内承継の債務移転に関する課題
【A-5】親族内承継の後継者キャリアに関する課題
【A-6】親族内承継の後継者リーダーシップに関する課題
【A-7】親族内承継の経営管理に関する課題
? 従業員承継における課題
【B-1】従業員承継の事業戦略に関する課題
【B-2】従業員承継の知的資産に関する課題
【B-3】従業員承継の支配権移転に関する課題
【B-4】従業員承継の債務移転に関する課題
【B-5】常行院承継の後継者キャリアに関する課題
【B-6】従業員承継の後継者リーダーシップに関する課題
【B-7】従業員承継の経営管理に関する課題
? 第三者承継(M&A)における課題
【C-1】第三者承継の事業戦略に関する課題
【C-2】第三者承継の知的資産に関する課題
【C-3】第三者承継の支配権移転に関する課題
【C-4】第三者承継の債務移転に関する課題
【C-5】第三者承継の後継者キャリアに関する課題
【C-6】第三者承継の後継者リーダーシップに関する課題
【C-7】第三者承継の経営管理に関する課題
第2章 後継者の決意と覚悟
? 受け身の後継者
【1】事業承継が進まない
【2】事業承継を進める主体
【3】後継者の立場とは
? 経営者のキャリア
【1】後継者のキャリアとは
【2】後継者のキャリア選択
【3】現経営者の引退後のキャリア
? 後継者経営の特性
【1】後継者が背負うことになる宿命
【2】現存の経営資源を活用できる後継者経営
【3】後継者自身の自己改革
【4】経営全体を俯瞰すること
? 後継者の成長がもたらす事業成長
【1】現状把握から始める経営革新
【2】後継者自ら描く成長戦略
第3章 事業の存続と成長
? 経営理念と経営計画
【1】後継者にとっての経営理念
【2】承継タイミングで経営計画を策定する意義
? 知的資産の承継
【1】競争力の源泉
【2】内部環境分析? 業務の流れ
【3】内部環境分析? 自社の強みと弱み
【4】外部環境分析
【5】経営目標と成長戦略
【6】後継者による知的資産経営
? 人的資源の承継
【1】人事・労務の現状把握
【2】人事・労務の調査に必要な情報
【3】労働法遵守の現状把握
【4】人事・組織の管理体制の現状把握
【5】働き方改革関連法
【6】事業承継を契機と下経営革新
? 経営環境の変化と事業戦略の立案
【1】過去の成功要因の分析
【2】事業承継を成功させる事業戦略
【3】経営改善と事業の磨き上げ
【4】経営環境の変化を捉える方法
【5】事業戦略のブラッシュアップ
【6】現経営者の関わり方
【7】事業戦略立案における支援者としての関わり方
【8】策定した中期経営計画の活用
? 事業承継計画の策定
【1】事業承継計画書の内容
【2】事業承継計画の作成着手
【3】実行可能性の高い事業承継計画
【4】事業承継の必要期間
? 再生すべき事業の承継
【1】債務整理と事業承継
【2】事業再生と相続
第4章 親族内承継
? 株式の承継と相続
【1】株式の承継
【2】株式譲渡の手続き
【3】遺贈の手続き(民法)
【4】遺留分の問題(民法)
【5】株式の相続(民法)
【6】「相続クーデター」(会社法)
? 経営承継円滑化法
【1】経営承継円滑化法とは
【2】事業承継税制について
【3】民法の特例について
? 相続生命保険の活用
【1】退職金の原資としての生命保険
【2】生命保険による遺産分割対策
【3】生命保険による事業継続リスク対策
第5章 親族外承継
? 従業員承継
【1】従業員承継の利点と課題
【2】購入資金の調達
【3】保証債務の引継ぎ
? 第三者承継(M&A)
【1】第三者承継(M&A)のプロセス
【2】ノンネームシートと意向表明書
? 企業価値・事業価値の評価
【1】親族外承継における譲渡価額
【2】譲渡価額の計算方法を理解する
【3】株式価値評価の手
【4】価格調整のメカニズム
【5】会社を高く売却する方法
【6】役員退職金の支払い
? 財務デュー・ディリジェンス
【1】調査の目的と範囲
【2】調査を受ける側の対応と留意点
【3】実態貸借対照表の把握
【4】正常収益力の把握
【5】調査結果と契約交渉
? 第三者の労働契約の承継
【1】事業譲渡と労働契約
【2】会社分割と労働契約
? 承継後のPM
【1】PMIの手法
【2】売り手側にとってのPMI
第6章 支援者の役割
? 弁護士の役割
【1】事業承継支援における弁護士の役割
【2】事業承継支援において弁護士が注意する点
【3】事業承継後における弁護士の関与
? 後継者の軍師の役割
【1】後継者の相談相
【2】後継者の軍師ミッション
【3】後継者の軍師に必要な能力
? 中小企業診断士の役
【1】事業承継支援は何から始めるか
【2】支援者の心構え
? 投資ファンドの役割
【1】投資ファンドとは何か
【2】投資ファンドによるメリット
【3】投資ファンド
? 税理士の役割
? どのような専門家と組むべきか
【1】どのような専門家と組むべきか
【2】専門家とのアライアンスの組み方
事業承継支援研究会[ジギョウショウケイシエンケンキュウカイ]
著・文・その他
井川 和美[イカワカズミ]
著・文・その他
池田 安弘[イケダヤスヒロ]
著・文・その他
石橋 治朗[イシバシハルオ]
著・文・その他
奥野 美代子[オクノミヨコ]
著・文・その他
川居 宗則[カワイムネノリ]
著・文・その他
河? 展生[カワサキノブオ]
著・文・その他
岸田 康雄[キシダヤスオ]
著・文・その他
黒須 靖史[クロスヤスフミ]
著・文・その他
半田 公人[ハンダキミヒト]
著・文・その他
村上 章[ムラカミアキラ]
著・文・その他
和田 耕太郎[ワダコウタロウ]
著・文・その他
永山 信一[ナガヤマノブカズ]
著・文・その他
皿谷 将[サラヤショウ]
著・文・その他
目次
第1章 解決すべき課題
第2章 後継者の決意と覚悟
第3章 事業の存続と成長
第4章 親族内承継
第5章 親族外承継
第6章 支援者の役割