内容説明
東京の過去と今をつなぐ、痛快エンタテインメント小説!代々、陰陽師として東京を守ってきた囲間(かこいま)家の姉妹、鴎、楽、雨が、東京のいろんな街を舞台に巻き起こる、摩訶訣不思議な出来事を解決してゆく。渋谷のレコード・ショップ奇譚から、浅草カラーギャング抗争、豊洲タワーマンション街に隠された恐ろしい秘密まで…。驚きの仕掛けが施された9つの物語。
著者等紹介
長谷川町蔵[ハセガワマチゾウ]
東京都町田市出身。映画や音楽にまつわるコラムからフィクションまで、クロスオーバーなジャンルで執筆する文筆家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いたろう
50
土地に残る人々の強い思い、「残留思念」が生んだ怪物から、密かに東京を守る陰陽師の末裔、囲間三姉妹。徳川家康が江戸幕府を開いた時に遡る囲間家の歴史、各章ごとに東京の各所が舞台となって語られる都市伝説のような話は、それなりに興味深いが、壮大な世界観にもかかわらず、200ページちょっとの分量しかないため、少々消化不良の感あり。囲間三姉妹と彼女たちを取り巻く人々の人物描写も何だか緩い感じ。音楽関係のライターでもある著者らしく、各章のタイトルが洋楽のタイトルになっているのも、ここでは、陰陽師の話とアンマッチで残念。2019/09/27
昼夜
19
思い起こせば心霊スポットとか心霊話の枕詞は昔、ここは病院とか墓地だったとか場所の歴史が関係していたのにオカルトと歴史を一緒に考えたことなかったしあまりドロドロじゃなくポップな感じで面白くて歴史を勉強したくなりました。京都の一族とか関ヶ原とかで続編とか長編が読みたいです。2019/05/14
モミ
14
東京の様々な街で起こる不思議な出来事、それぞれのつながり、面白いです。 全体的にはポップなのですが、歴史的な要素も絡んでいて「あそこってそんなことが?!」と思う部分も多かったです。シリーズ化しても楽しそうな作品でした。2019/03/13
dolce vita
11
東京の各地に残る残留思念…果たさず、紡げず、叶わなかった思い。強ければ強いほど、行き交う人が多いほどにその思念は残るのだろうか。ある場所を懐かしんだり、切ない気持ちになったりするのも、知らず知らずのうちに自分の一部をその場所に置いてきているということなのかもしれない。#NetGalleyJP2019/03/25
アーサー・エリス
4
東京一帯をオカルトの力で守る陰陽師の末裔、囲間三姉妹が出会う事件を描いた短編集。地理のことがさっぱりなためgoogleと往復しながらの読書になったのはもどかしかったが、東京の地理にまつわるオカルトが生かされた設定や物語は面白く、作者の愛も伝わる。特に「豊洲のタワマンは怨霊を鎮める卒塔婆」という設定には脱帽。しかし、約200Pという少ない分量のせいか登場人物の設定は薄味で、長編を飛び飛びに読んでいるような消化不良感があるのが残念。2020/06/15