内容説明
大伴旅人と鞆の浦・幸田露伴『五重塔』の十兵衛と倉吉・人は何によって生かされているか・人間の夢のユートピア・土屋文明のふるさとの柿の木・レバノン杉の教訓・オバマが広島にやってきたなどなど。生涯で最も嬉しいことはめぐり逢い。
目次
台湾の田舎の畦道で出会った世にも不思議な体験―花は人間を時間旅行に誘い出すタイムマシン
人生で一番すばらしかった授業―四十年後に解けた老教授の疑問
曼珠沙華の想い出―秋祭りの最中に突然消えた彼女
山吹の花は咲けども―学費値上げ闘争のころ。初めての機動隊学内突入
わが青春の旅立ち―ブラジル航路の最後の移民船が、私の青春の始まり
キューバの日系一世たち―世界の果てで生きる明治生まれの老人が、どうしても私に伝えたかったこと
連れ出された旅と楷の樹―中国山東省曲阜から持ち帰られた樹の種子が、やがて日本中に‐思想を伝える樹
白いエンジュの花の雨―『紅楼夢』の舞台で出会った女詐欺師
タイ、丘の上の高級リゾート・ホテル―ブーゲンビリアの垣根の中の夢と現実
錦木を持つ男―江戸時代にもてはやされた悲恋物語
向こう三軒隣組―日本的お隣との付き合い方
「鉢木」と「佐野の船橋」―能や謡曲に出てくる恋の浮橋
ツキヨタケの陰謀―吾こそはキノコ博士と自慢した男の「死」
大伴旅人と「鞆の浦」の、むろの樹―古代から現代まで、わけありの男たちが忍んだ隠れ里
幸田露伴『五重塔』の十兵衛と倉吉―幸田文の娘の情操教育は成功したか
人は何によって生かされているか―サギソウの保存運動五十年から得たもの
北向き観音と愛染かつら―信州、別所温泉にある桂の大樹と碑林
人間の夢のユートピア―富と権力を手に入れた者が最後につくる庭園
京都大徳寺大仙院の青年僧―その時その場を懸命に生きる禅宗の教え
松の人格―三十年来の友人が隠していたもの
折口信夫(釈迢空)、葛の花は壱岐島か熊野古道か―地元を巻き込んで論争が続く名歌の謎
土屋文明とふるさとの柿の木―歌人として名をなしても生涯帰れなかった故郷とは
柚子の木の夢―残り少ない人生なのに、返してもらいたい騙された七年の歳月
レバノン杉の教訓―メソポタミア、エジプト、ギリシャ、ローマの古代文明を支えた樹
月見草の歌―サラリーマン哀歌―美しい花も人によっては単なる雑草
オバマが広島にやってきた―戦争はかぼちゃを悲しい野菜にした
著者等紹介
細川呉港[ホソカワゴコウ]
広島県出身。集英社に入社後、宣伝部、雑誌編集部を経て、つくば科学万博副館長、学芸編集部長を最後に定年。中国担当として長年中国を取材。現在フリー。東洋文化研究会の運営は今年で二十九年目(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。