出版社内容情報
北朝鮮は戦前の日本に似ている。ならば戦後の日本を世界が受け入れた「虚構」のなかに問題解決の鍵があるはずだ。内田樹氏すいせん。いまの北朝鮮は、戦前の日本に似ている。ならば、戦後の日本を世界が受け入れた「虚構」(フィクション)のなかに、北朝鮮問題のジレンマを乗り越える鍵があるはずだ。本書はその「虚構」とは何か、それをどうすれば北朝鮮問題に活かせるのかを説く。日本が果たせる役割は大きく、それによって得られる果実も大きい。
内田樹氏(思想家)すいせん
「北朝鮮における人権侵害を抑制しながら、体制保証によって非核化を達成することは可能か? このきわめて困難な(ほとんど不可能な)課題に本書は驚くべき解を提示します。松竹さんのリアリスティックでかつロマンティックなアイディアに僕は同意の一票を投じます」
第1章 また同じ挫折を繰り返すのか――ジレンマの歴史
1 北朝鮮の核開発はこうして始まった
2 第一次核危機と「米朝枠組み合意」
3 第二次核危機と六カ国協議
4 米朝両国の努力にもかかわらず
第2章 「非核化」と「体制保証」は両立できるのか――ジレンマの連鎖
1 北朝鮮の非核化に潜むジレンマ
2 「体制保証」それ自体のジレンマ
3 非核化と体制保証のジレンマ
4 主要関係国それぞれのジレンマ
第3章 北朝鮮の人権問題をどう考えるべきか――ジレンマの底流
1 「ヒトラーの体制でも保証するのか」という問い
2 「ナチスよりまし」とはいえない北朝鮮の実態
3 ポリティサイド国家はこうして生まれた
4 「体制を保証してはならない」という勧告
第4章 日本は「戦略的虚構」による解決をめざせ――ジレンマの克服
1 体制の保証と改革を両立させた日本の先例
2 日本は核問題で本当の橋渡しができる
3 北朝鮮への経済援助は日本の利益になる
4 拉致問題でマイナスをプラスに変える戦略
わが体験的北朝鮮論――あとがきに代えて
松竹伸幸[マツタケノブユキ]
著・文・その他