感想・レビュー
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元気
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タイトルに惹かれて。福島在住の著者が二十年以上に渡り詠んだ句の作品集。『天球には遠くの星の光も近い星の光も、等しい距離感で投影されている。伸び縮みする時空間が凝集されている。そして天球儀の星たちを私たちは神の視座で見る。それは実は地上に立つ人間が裏側から見たものを裏返しにしたものだ。そのパラドキシカルな統合性を俳句という器で、いつの日か表現したい』あとがきで「天球儀」の由来に託した思いを綴り、その言葉通りどの句も切り取った世界の一瞬を映し、その中に凝縮された悠久と著者の眼差しが自分と重なる心地がした。2019/09/01