内容説明
「人間探求派」という括りが意味したものは何だったのか。ヒューマニズム、正しい生き方、箴言的表現、そんなところに楸邨の本領はない。楸邨の本質は、一回性の対象との出会いを通して「私」を刻印することに他ならない。これまでの定説を覆す、新たなる楸邨論。
目次
第1章 楸邨俳句の基点(十七音量性の理論と実践―『現代俳句の中心問題』と句集『寒雷』;それぞれの隠岐―第四句集『雪後の天』と僕ら;水原先生診察日 ほか)
第2章 リアルの系譜―子規から楸邨へ(「写生」と「花鳥諷詠」;子規への軽視と誤解―「第二芸術」論の功罪;稲の一穂―子規の「写生」 ほか)
第3章 刻々の楸邨(第一句集 『寒雷』を読む;第二句集 『颱風眼』を読む;第三句集 『穂高』を読む ほか)
著者等紹介
今井聖[イマイセイ]
1950年、新潟県に生まれ鳥取県に育つ。71年、加藤楸邨に師事。85年「寒雷」同人(後に退会)。結社賞である「寒雷集賞」、「清山賞」(同人賞)を受賞。96年に俳誌「街」を創刊。現在、信濃毎日新聞「信毎俳壇」、東京新聞「かながわ俳壇」選者。93年より句作と並行してシナリオを脚本家馬場當に師事。山内久氏、新藤兼人氏らとの知遇を得る。脚本家として参加した作品に映画『エイジアン・ブルー 浮島丸サコン』などがある。俳人協会理事。日本シナリオ作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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