内容説明
犯罪や非行をしなくなること、しなくなっていくプロセス―犯罪・非行からの離脱―が近年注目されている。離脱を多面的に深く理解するために、気鋭の社会学者たちが集結。離脱に関する言説の分析、インタビュー調査を用いた実態の分析、離脱や犯罪・非行に関する理論的な検討を平易に紹介する。
目次
犯罪・非行からの離脱―研究の展開と背景
第1部 犯罪・非行からの離脱に関する言説(新聞報道記事に見る「立ち直り」;犯罪ないし非行からの立ち直り言説に関する歴史的検討―社会を明るくする運動を通して行われた法務省の活動に注目して)
第2部 犯罪・非行からの離脱の態様(少年院ではどんなことがなされているのか―少年院処遇の現状と課題;「離脱」の過程で保護観察が果たす役割―保護司の処遇実践に着目して;更生保護施設における処遇の専門性―薬物処遇重点実施更生保護施設で勤務する薬物処遇専門職員へのインタビュー調査を通じて;「問題者」を越える実践としての家族の記述―更生保護施設入所女性に着目して;薬物依存からの「回復」をめぐる困難―長所基盤モデルが見落としているもの)
第3部 「犯罪・非行からの離脱」を問い直す視座(「離脱」研究における規範的定義論の不在を問題化する―ハームリダクション批判を通した覇権政治と境界政治の可視化;犯罪定義の批判的検討―離脱すべき「犯罪」は自明か)
著者等紹介
岡邊健[オカベタケシ]
京都大学大学院教育学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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