内容説明
たえず変化する世界の中で生きていくうえで、人間や動物たちは何をどのように学習しているのか。学習研究の魅力にとりつかれた学習心理学者が、連合の形成と構造の観点から、行動と環境に関する統一的理解への道筋を示す。学習心理学が提供する、「心」を探究していくうえでの重要な知見。
目次
序章 学習心理学への招待
第1章 行動を説明する
第2章 世界を知ること―古典的条件づけ
第3章 世界と関わること―道具的条件づけ
第4章 統一的理解―古典的条件づけの連合学習理論
第5章 統一的理解―道具的条件づけの連合学習理論
第6章 さまざまな情報の学習
第7章 明後日を変えること―連合学習研究の臨床的応用
終章 開かれた心とその敵
著者等紹介
澤幸祐[サワコウスケ]
2003年、関西学院大学大学院文学研究科博士課程後期課程修了。博士(心理学)。現在、専修大学人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mim42
6
生命体の学習の2つのスタイル、すなわちパブロフの犬と強化学習に関するトピックが、学習心理学という枠組みで語られる。換言すると、古典的条件付け、道具的条件付け、に通底する連合学習についてのわかりやすい説明の書。古典的条件付けの随伴性空間の道具的随伴性への拡張や、道具的条件付けにおけるS-R-O連合関連の実験紹介など大変興味深く読んだ。別の研究だが、進化上、「全身を使った道具的条件付け」が可能になったポイントこそが「生命体が意識を持ちはじめた点」なる仮説を信じれば、随伴性空間への連続的な移行は大発見。2023/03/30
zozomu
3
この本の「学習」は学校などで行われる勉強のようなものではなく、生きていく中での適応としての「学習」を指す。 多数の実験や理論の他に数式まで出てきて、かなり複雑な部分もあったが、「相手が何を考えているのかを理解するのは難しいが、相手を取り巻く環境や刺激をよく観察すればその行動について理解する手がかりになる」という考えに惹かれ読了。2022/06/01
name
1
パラパラ読んだ2025/06/05