内容説明
社会科学において理論をどのように構築していくのか。レヴィンの概念的、方法論的考察の集成。
目次
第1章 心理学における定式化と進歩
第2章 場の理論における構成概念
第3章 一定時における場の定義
第4章 場の理論と学習
第5章 退行、後もどりおよび発達
第6章 場の理論と社会心理学における実験
第7章 社会心理学における研究法の問題
第8章 心理学的生態学
第9章 集団力学の開拓線
第10章 全体事態の関数としての行動と発達
付録 全体、分化および統一性の概念分析
著者等紹介
レヴィン,クルト[レヴィン,クルト] [Lewin,Kurt]
1890年ドイツに生まれる。ベルリン大学にて学位を取得し、ベルリン大学に勤める。その後アメリカに渡り、コーネル大学、アイオワ大学にて教鞭をとる。1945年にマサチュセッツ工科大学に招かれ、グループ・ダイナミックス研究センターを創設する。1947年逝去。ベルリン大学時代はゲシュタルト心理学派の有力メンバーとして活躍。渡米後は、パーソナリティ研究、そしてグループ・ダイナミックス研究へと関心を移し、多大な業績をあげる
猪股佐登留[イノマタサトル]
1925年生まれ。京都大学文学部卒、京都大学大学院特別研究生、滋賀大学教授を経て、島根大学教授。1997年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roughfractus02
5
前巻は集団力学の具体事例(工場、ユダヤ人コミュニティ等)を集めたのに対し、本巻はその理論の基礎を精査する。ゲシュタルト心理学は著者に、個人の心理ではなく複数の個人の関係(集団力学)から社会心理学創設の契機を与えた。が、力学と呼ぶにはまだ科学的ではない。そこで著者は観察事実の関係を一義的に精査可能にするために数学を導入し、行動心理は生理学的条件反応の法則を用い、社会現象は歴史的な因果関係でなくシステムとしての因果に基づくように規定し直される。本書は、場(トポロジー)の理論によって社会心理学の科学化を試みる。2021/11/02